『最後にひとつ。今回は、1つの文の中で、飾りが長くなる様子を見ました。ところが、英語には、ことばとことばを結んで、ひとつにつなぐことばがあります。』──前回の6-cの最後に、そう予告しました。
今回から、⑦段に入ります。
見ていくのは、and・but・or。たった2〜3文字の短いことばですが、何と何を結んでいるのかがわからないと、文の骨組みが見えなくなります。しかも、結ぶ相手は、すぐ隣のことばとは限りません。
今回は、短いことば2つを結ぶ形に絞って見ていきます。探すときの問いかけは、「何と何を結んでいる?」です。
Mika ate lunch and left. の and は、何と何を結んでいる?|すぐ隣のことばにつられる罠
グラム前回の最後に予告された、「ことばとことばを結ぶことば」の回ですね。



そう。今回の主役は and・but・or。ちっちゃい3人組だね。



では問題です。Mika ate lunch and left. この and は、何と何を結んでいますか?



久しぶりにグラムのドヤ顔きました。and のすぐ隣だから、lunch と left ?。



lunch と left を結ぶと、「ランチと左」ですよ。ミカさんは、左を食べたんですか?



……左は、ちょっと歯ごたえがありそうです。



left は「去った」という動詞です。結んでいるのは、ate と left。「食べた」と「去った」です。



and って、隣同士をくっつける接着剤じゃないの?



隣とは限りません。and は、同じ働きのことばを探して、結びます。



たかが and。でも、奥が深いです。でも、英検1級ホルダーには余裕です。



トビーさんついこの前、andの使い方でチャッピーに突っ込まれてたじゃないですか。
前回の6-cでは、動詞や文に足される飾りが長くなる様子と、外せない飾りを見ました。
▶︎飾りは、いつも外せる?|動詞や文に足される飾りの見つけ方【グラムとえいご!6-c】
英語の接続詞とは?|and・but・or は、同じ働きのものを2つ結ぶ
トビーが迷ったのは、and のすぐ隣のことばでした。もう一度、文を見てみましょう。
Mika ate lunch and left.(ミカは、昼食を食べて、立ち去った。)
and が結んでいるのは、ate と left です。どちらも動きを表すことば(動詞)で、働きが同じです。lunch は「食べた」の目的語(O)で、left とは働きが違います。働きの違う2つは、ふつう、結びません。


and・but・or のように、ことばとことばを結ぶことばを、ここでは「つなぎことば」と呼びます。学校では「接続詞」と呼ばれます。
つなぎことばの仕事は、同じ働きのものを2つ、ひとつに結ぶことです。すぐ隣にあることばを結ぶのではありません。結ぶ相手は、「同じ働きをしているか」で探します。
and・but・or の違いは?|足す・反対向き・選ぶ
つなぎことばは、and・but・or の3つです。結ばれる2つの関係が、それぞれ違います。
and は、足します。
Ken bought apples and oranges.(ケンは、りんごとオレンジを買った。)
apples と oranges を足して、買ったものが2つになります。
but は、反対向きのことを結びます。
Ken is small but strong.(ケンは小さいが、強い。)
小さいから弱そうなのに、強い。予想と反対向きの2つを、but で結びます。
or は、選びます。
Mika drank tea or coffee.(ミカは、紅茶かコーヒーを飲んだ。)
tea か coffee の、どちらか一方を選ぶ形です。


どの文も、結ばれた2つは、同じ働きをしています。apples と oranges は、どちらも「買ったもの」。small と strong は、どちらもケンの様子。tea と coffee は、どちらも「飲んだもの」です。
つなぎことばは、どの箱を結べる?|結ばれた2つは、同じ箱に入る
つなぎことばが結べるのは、動詞だけではありません。主語・動詞・目的語・補語・修飾語の5つの箱のどれでも、同じ箱に入る2つを結べます。


たとえば、主語の箱で結ぶと、Ken and Mika sang. になります。歌ったのは、Ken と Mika の2人です。
and・but・or そのものには、記号をつけません。大事なのは、結ばれた2つが、どの箱に入るかです。
補足:and・but・or は、主語と動詞をふくむまとまり同士も結べます。
Ken wanted tea, but Mika wanted coffee.(ケンは紅茶がほしかったが、ミカはコーヒーがほしかった。)
but の前にも後ろにも、主語と動詞があります。主語と動詞をふくむまとまりを、学校では「節」と呼びます。ここで but が結んでいるのは、Ken wanted tea と Mika wanted coffee の2つです。Ken と Mika を結んでいるのではありません。この形は、これから見る3ステップの見つけ方とは別のものです。くわしい見方は、基礎編で見ていきます。
つなぎことばの見つけ方|同じ働きの2つを探して、片方ずつ確かめる
結ばれる2つは、次の3ステップで見つけます。
①and・but・or を見つける。
②つなぎことばのあとのことばが、どの箱に入るかを考える。手前に、同じ箱に入るものを探す。
③結ばれる2つを、片方ずつ残した文を作って確かめる。ふつうは、どちらの文も成り立つ。
Mika ate lunch and left. で試してみます。
①and があります。
②あとのことば left は、動きを表すので、動詞(V)の箱です。手前で V の箱に入るものを探すと、ate が見つかります。lunch は O の箱なので、候補ではありません。トビーが lunch につられたのは、この②をとばしたからです。
③Mika ate lunch. も、Mika left. も成り立ちます。
もう1つ、Ken is tall and quiet. です。
①and があります。
②あとのことば quiet は、ケンの様子を表すことば(補語・C)の箱です。手前に、同じ C の箱に入る tall があります。
③Ken is tall. も、Ken is quiet. も成り立ちます。
②で迷ったときは、動詞を先に見つけておくと、探しやすくなります。動詞を先に見つける方法は、2-aで見ました。
▶︎まずは動いていることばを探せ|動詞ってどれ?【グラムとえいご!2-a】
まとめと練習問題|結ばれる2つは、同じ働きをしている
今回は、and・but・or が、何と何を結んでいるのかを見ました。ポイントは3つです。
・and・but・or は、同じ働きのものを2つ結ぶ。すぐ隣のことばを結ぶとは限らない。
・結び方は3つ。and は足す、but は反対向き、or は選ぶ。
・見つけ方は、あとのことばが入る箱を考え、手前で同じ箱のものを探して、片方ずつ残した文で確かめる。
結ばれた2つは、ふつう、同じ箱に入ります。つなぎことばそのものは、新しい箱ではありません。
最後にひとつ。今回は、2つのものが結ばれる様子を見ました。ところが、結ばれることばは、3つ以上になることも、長くなることもあります。



では、ミニ練習問題に行ってみましょう。
どの問題も、答えの英文ができたら、主語・動詞・目的語・補語に印をつけてください。つなぎことばが何と何を結んでいるかも、答えましょう。目的語や補語がない文もあります。
問題① 次の英文に印をつけて、意味を答えてください。
Yuki opened the door and smiled.
問題② Gram で始めて、danced で終わるように、danced / and / Tobey / Gram を並べ替えて、意味を答えてください。
問題③ 次の英文に印をつけて、意味を答えてください。
The test was long but easy.
①Yuki opened the door and smiled.
意味:ユキは、ドアを開けて、にっこり笑った。
主語:Yuki。動詞:opened と smiled。目的語:the door。
and が結ぶのは、opened と smiled(動詞どうし)。すぐ隣の the door ではありません。
②Gram and Tobey danced.
意味:グラムとトビーは、踊った。
主語:Gram and Tobey。動詞:danced。
and が結ぶのは、Gram と Tobey(主語どうし)。Gram danced. も Tobey danced. も成り立ちます。
③The test was long but easy.
意味:テストは、長かったが、簡単だった。
主語:The test。動詞:was。補語:long と easy。
but が結ぶのは、long と easy(補語どうし)。長いのに簡単、という反対向きの2つです。
全18話の地図は、こちらで確かめられます。
▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】
⑦段に入りました。今、どこまで来たのかを地図で見てみましょう。


Tobey English!






