その単語、何ですか?|8品詞のおさらいから、基礎編を始めよう【グラミーと英語|柱1-1】

グラミーと英語 基礎編のアイキャッチ。山頂へ続く道の手前に、「柱1-1」と書かれた道しるべが立っている

基礎編ガイダンスでお話しした通り、基礎編は「柱1→柱2→柱3」と、35本かけて積み上げていきます。今回が、その本編の1本目です。

最初の題材は、8品詞のおさらい。「そんなの知ってるよ」と思われたあなたにこそ、読んでほしい理由があります。品詞は、知っているだけでは英文が読めない。今回は、その話です。

グラミーと英語|基礎編 全35話柱1→柱2→柱3の旅
今はここ!柱1-1
柱1
要素の確定
柱2
要素の接続
柱3
要素の復元
✦ このブログでわかること
・ 8品詞を、1枚の表でおさらいすること
・ 副詞と形容詞を、迷わず見分けるコツ
・ 同じ単語でも、文によって品詞が変わる理由
・ 品詞と「箱」は別のもの、という線引き
目次

品詞は全部言えるのに、英文が読めない|トビーの”品詞分解”の落とし穴

トビー

入門編のグラムから、基礎編のグラミーにバトンタッチですな。

グラミー

そうです。ビシバシ行きますよ。ではさっそく。トビー、この文の last の品詞を答えてください。
The sale will last until Sunday.

トビー

なんとかグラビームは回避してゆきたい。
last は「最後の」。だから形容詞。……あれ? will のあとに形容詞って、何か変?

グラミー

いいところに気づきました。will のあとには、何が来るのでしょう?

トビー

動詞です。ということは……last が動詞?

グラミー

そうです。この last は「続く」という意味の動詞。「セールは、日曜日まで続きます」という文です。

トビー

品詞は、単語だけを見ても決められない。文の中で決まる、ですね。

グラミー

その話が、今回と次回の入口です。

法沼にハマっていたころのトビーは、品詞の名前ならひと通り言えました。それなのに、last のように単語の品詞を決め打ちして、長い英文になると読み違えてしまう。「品詞を知っていること」と「英文が読めること」の間には、思った以上に大きな溝があります。

その溝の正体を知るために、まずは8品詞を、1枚の表できちんとおさらいしましょう。基礎編全体の地図は、こちらのガイダンスで確認できます。

▶︎英文はたった5つの「箱」でできている|グラミーと英語 基礎編・全35話の地図【基礎編ガイダンス】

8品詞の一覧表|英語の単語の「種類」は8つだけ

品詞とは、単語を、性質や働きの似たもの同士に分けた「種類」のことです。英語の単語は、どれも次の8つのどれかに入ります。どれに入るかは、先ほどの last のように、文しだいで変わることもあります。まずは8つの種類を、1枚の表で確認しましょう。

8品詞の一覧図。英語の単語は、どれも8つの種類のどれかに入る。名詞(ものや人、ことの名前。例:book / Tobey / idea)、代名詞(名詞の代役。例:he / it / this)、動詞(動きや状態。例:run / is / know)、形容詞(名詞の様子を説明。例:big / happy / old)、副詞(名詞以外を飾る。例:fast / very / often)、前置詞(名詞の前に置いて、つながりを示す。例:in / on / with)、接続詞(語や文をつなぐ。例:and / but / because)、間投詞(感情や呼びかけ。例:oh / wow / hey)。下部に「冠詞は形容詞の仲間、助動詞は動詞の仲間として数えます」との補足つき

代名詞は、名詞の代役

代名詞は、名詞の代役です。Gram is happy.(グラムは幸せだ)の Gram を he に替えれば、He is happy. になります。

冠詞と助動詞はどこへ?|学校の「10品詞」との違い

なお、学校では、a や the(冠詞)と、can や will(助動詞)を加えて、10品詞と数えることもあります。先ほどの掛け合いに出てきた will も、助動詞です。ここでは、冠詞は形容詞の仲間、助動詞は動詞の仲間として、8品詞で進めます。

入門編の呼び方と、品詞の関係

入門編で「動いていることば」「ものの名前」「飾り」と呼んでいたものは、品詞でいうと、おもに動詞・名詞・形容詞や副詞にあたります。ただ、入門編では、わかりやすさを優先して、単語の「種類」(品詞)と、文の中での「役割」が混ざった呼び方をしていました。ここでは、単語の種類のほうだけを取り出して整理しています。

入門編で動詞を探したときの話は、こちらで扱っています。
▶︎まずは動いていることばを探せ|動詞ってどれ?【グラムとえいご!2-a】

▶︎「=」も「いる・ある」も動詞|be動詞も立派な仲間【グラムとえいご!2-b】

副詞と形容詞の違い|見分けは「飾る相手」で決まる

副詞と形容詞。形は違えども、文の中でもどちらも修飾語として働くことが多いです。でも8つのうち、いちばん説明しにくいのが副詞です。「存在は知っているけれど、何をするものか聞かれると困る」という人は、意外と多いはずです。先に、形容詞から見ておきます。

形容詞は、名詞を飾る

形容詞は、名詞を飾ります。

・a happy dog(幸せな犬)… happy が、名詞 dog を飾る
・a fast runner(速い走者)… fast が、名詞 runner を飾る

Gram is happy. のように、be動詞の後ろに来る形もありますが、名詞(Gram)の様子を説明していることに変わりはありません。

名詞にくっつく飾りは、入門編6-bでも見ています。
▶︎飾りが長くなったら?|ものの名前にくっつく飾りの見つけ方【グラムとえいご!6-b】

副詞が飾る相手は、4通り

副詞は、名詞以外を飾ります。 飾る相手は、4通りです。

・動詞を飾る:Gram runs fast.(グラムは速く走る)… fast が runs を飾る
・形容詞を飾る:Gram is very happy.(グラムはとても幸せだ)… very が happy を飾る
・別の副詞を飾る:Gram runs very fast.(グラムはとても速く走る)… very が fast を飾る
・文全体を飾る:Luckily, Gram found his glasses.(運よく、グラムはメガネを見つけた)… Luckily が文全体を飾る

見分けのコツは、たった1つです。その単語は、何を飾っているのか。 名詞を飾っていれば形容詞、名詞以外を飾っていれば副詞です。

※これは基本の見方です。only や even のように、名詞を飾る副詞もありますが、それは出会った回で扱います。

ちなみに、fast は、a fast runner では形容詞、runs fast では副詞でした。同じ単語でも、飾る相手が変われば、品詞も変わります。

形容詞と副詞の見分け方の比較図。形容詞は名詞を飾る(a happy dog、a fast runner)。副詞は名詞以外を飾り、相手は4通り。動詞を飾る(Gram runs fast.)、形容詞を飾る(Gram is very happy.)、別の副詞を飾る(Gram runs very fast.)、文全体を飾る(Luckily, Gram found his glasses.)。下部に「同じ fast でも、飾る相手が変われば、品詞も変わる」との注記つき

入門編6-cでも、動詞に足される1語の飾り(early など)を、学校では「副詞」と呼ぶ、と一度だけ紹介しました。
▶︎飾りは、いつも外せる?|動詞や文に足される飾りの見つけ方【グラムとえいご!6-c】

前置詞・接続詞・間投詞とは?|残り3つは、働き方が三者三様

前置詞は、名詞の前に置かれて、その名詞とセットで働きます。in the park、with Gram、for Tobey のように、前置詞だけでは意味が完成せず、後ろの名詞とくっついて1つのかたまりになります。入門編6-bで見た、in や with で始まる飾りが、まさにこれです。このかたまりが文のどこにくっつくのかは、柱2で本格的に扱います。

接続詞は、語や文をつなぐことばです。

・Gram and Tobey(グラムとトビー)… 語と語をつなぐ
・Gram runs, but Tobey walks.(グラムは走るが、トビーは歩く)… 文と文をつなぐ

間投詞は、Oh! や Wow! や Hey! のように、感情や呼びかけを表すことばです。文の骨組みとは関係なく、ぽんと置かれます。読解で悩むことはほとんどないので、「そういう品詞もある」とだけ覚えておけば十分です。

入門編7-aで扱った and・but・or などの「つなぎことば」は、この接続詞のことです。何と何をつないでいるのかを見極める練習は、柱2でじっくり行います。
▶︎and・but・or は、何と何を結んでいる?|2つをつなぐ「つなぎことば」とは【グラムとえいご!7-a】

同じ単語でも品詞が変わる|品詞と「箱」は別のもの

ここまでで、8品詞のおさらいは終わりです。最後に、冒頭の last に戻ります。

品詞は、単語ではなく文で決まる

この記事の中でも、すでに2回出てきました。

・last は、The sale will last until Sunday. では動詞(続く)
・fast は、a fast runner では形容詞、Gram runs fast. では副詞

どの品詞なのかは、単語だけを見ても決まりません。その単語が置かれた文で決まります。基礎編ガイダンスでお話しした run の誤読(a run of bad luck の run を、動詞と決め打ちした話)も、同じ仕組みでした。

では、品詞さえ決まれば、英文は読めるのでしょうか。

品詞が同じでも、文の中の役割は違う

次の2文を見てください。

Tobey made Gram lunch.
Tobey made Gram captain.

どちらも、品詞は「名詞・動詞・名詞・名詞」。並びがまったく同じです。ところが、読み方は違います。

・1文目:Gram は「誰に?」、lunch は「何を?」の答えです。目的語が2つ並ぶ文で、「トビーは、グラムに昼ごはんを作った」
・2文目:Gram=captain と「=」でつながります。captain は、「=」でつながる相棒(補語)で、「トビーは、グラムをキャプテンにした」

品詞が教えてくれるのは、単語の種類までです。「その単語が文の中で何をしているのか」という役割までは、教えてくれません。

その役割を決めているのが、入門編で出会った5つの箱(S・V・O・C・M)です。lunch は「動きが向かう先」の箱に、captain は「=でつながる相棒」の箱に入っています。同じ名詞でも、どの箱に入るかで、読み方が変わります。

品詞と箱がどう結びつくのかは、次回、S・V・O・C・Mをしっかり解説するなかで、はっきりさせます。

品詞と箱の違いを示す2段の図。上段(品詞の段)は、Tobey made Gram lunch. と Tobey made Gram captain. の品詞がどちらも名詞・動詞・名詞・名詞で同じ。下段(箱の段)は、1文目が S・V・O・O(Gram は「誰に?」、lunch は「何を?」)、2文目が S・V・O・C(Gram=captain)で、最後の箱が違う。下部に「品詞は単語の種類、箱は文の中の役割。別のもの」との注記つき

この2つの形の見分け方は、入門編5-bで見ています。
▶︎相棒は、目的語のあとにもいる?|補語のもう1つの居場所【グラムとえいご!5-b】

まとめ|品詞は「単語の種類」。読むには「文の中の役割」が要る

今回のポイントは3つです。

・品詞は、単語の「種類」。名詞・代名詞・動詞・形容詞・副詞・前置詞・接続詞・間投詞の8つ
・形容詞は名詞を飾り、副詞は名詞以外を飾る。見分けは「何を飾っているか」で決める
・同じ単語でも、文によって品詞が変わる。品詞(種類)と箱(役割)は別のもの

今回は、品詞という「単語のほう」の地図を確認しました。次回は、いよいよ「文の中のほう」へ。基礎編の背骨になる、5つの箱(S・V・O・C・M)の回です。


グラミー

それでは、確認問題に行ってみましょう!

答えを見る前に、「その単語は、何を飾っているのか? 何をつないでいるのか?」を、自分の言葉で言ってみてください。

【問題①】 太字の語の品詞を、それぞれ答えてください。
Gram sat on the sofa, but Tobey stood.

【問題②】 2つの文の fast は、それぞれ何詞ですか。
(a) Tobey drives a fast car.
(b) Tobey drives fast.

【問題③】 太字の副詞は、何を飾っていますか。
Tobey is very tired.

① on は前置詞(the sofa とセットで働く)、but は接続詞(文と文をつなぐ)。(グラムはソファに座っていたが、トビーは立っていた)

② (a) 形容詞(名詞 car を飾る)/(b) 副詞(動詞 drives を飾る)。同じ fast でも、飾る相手で品詞が変わります。((a) トビーは、速い車を運転する/(b) トビーは、速く運転する)

③ tired(形容詞)を飾っています。very は副詞です。(トビーは、とても疲れている)

基礎編全体の中で、今どのあたりにいるのかは、こちらの地図で確かめられます。
▶︎英文はたった5つの「箱」でできている|グラミーと英語 基礎編・全35話の地図【基礎編ガイダンス】

グラミー

Tobey English!


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