基礎編ガイダンスでお話しした通り、基礎編は「柱1→柱2→柱3」と、35本かけて積み上げていきます。今回が、その本編の1本目です。
最初の題材は、8品詞のおさらい。「そんなの知ってるよ」と思われたあなたにこそ、読んでほしい理由があります。品詞は、知っているだけでは英文が読めない。今回は、その話です。
品詞は全部言えるのに、英文が読めない|トビーの”品詞分解”の落とし穴
トビー入門編のグラムから、基礎編のグラミーにバトンタッチですな。
そうです。ビシバシ行きますよ。ではさっそく。トビー、この文の last の品詞を答えてください。
The sale will last until Sunday.



なんとかグラビームは回避してゆきたい。
last は「最後の」。だから形容詞。……あれ? will のあとに形容詞って、何か変?
いいところに気づきました。will のあとには、何が来るのでしょう?



動詞です。ということは……last が動詞?
そうです。この last は「続く」という意味の動詞。「セールは、日曜日まで続きます」という文です。



品詞は、単語だけを見ても決められない。文の中で決まる、ですね。
その話が、今回と次回の入口です。
法沼にハマっていたころのトビーは、品詞の名前ならひと通り言えました。それなのに、last のように単語の品詞を決め打ちして、長い英文になると読み違えてしまう。「品詞を知っていること」と「英文が読めること」の間には、思った以上に大きな溝があります。
その溝の正体を知るために、まずは8品詞を、1枚の表できちんとおさらいしましょう。基礎編全体の地図は、こちらのガイダンスで確認できます。
▶︎英文はたった5つの「箱」でできている|グラミーと英語 基礎編・全35話の地図【基礎編ガイダンス】
8品詞の一覧表|英語の単語の「種類」は8つだけ
品詞とは、単語を、性質や働きの似たもの同士に分けた「種類」のことです。英語の単語は、どれも次の8つのどれかに入ります。どれに入るかは、先ほどの last のように、文しだいで変わることもあります。まずは8つの種類を、1枚の表で確認しましょう。


代名詞は、名詞の代役
代名詞は、名詞の代役です。Gram is happy.(グラムは幸せだ)の Gram を he に替えれば、He is happy. になります。
冠詞と助動詞はどこへ?|学校の「10品詞」との違い
なお、学校では、a や the(冠詞)と、can や will(助動詞)を加えて、10品詞と数えることもあります。先ほどの掛け合いに出てきた will も、助動詞です。ここでは、冠詞は形容詞の仲間、助動詞は動詞の仲間として、8品詞で進めます。
入門編の呼び方と、品詞の関係
入門編で「動いていることば」「ものの名前」「飾り」と呼んでいたものは、品詞でいうと、おもに動詞・名詞・形容詞や副詞にあたります。ただ、入門編では、わかりやすさを優先して、単語の「種類」(品詞)と、文の中での「役割」が混ざった呼び方をしていました。ここでは、単語の種類のほうだけを取り出して整理しています。
入門編で動詞を探したときの話は、こちらで扱っています。
▶︎まずは動いていることばを探せ|動詞ってどれ?【グラムとえいご!2-a】
▶︎「=」も「いる・ある」も動詞|be動詞も立派な仲間【グラムとえいご!2-b】
副詞と形容詞の違い|見分けは「飾る相手」で決まる
副詞と形容詞。形は違えども、文の中でもどちらも修飾語として働くことが多いです。でも8つのうち、いちばん説明しにくいのが副詞です。「存在は知っているけれど、何をするものか聞かれると困る」という人は、意外と多いはずです。先に、形容詞から見ておきます。
形容詞は、名詞を飾る
形容詞は、名詞を飾ります。
・a happy dog(幸せな犬)… happy が、名詞 dog を飾る
・a fast runner(速い走者)… fast が、名詞 runner を飾る
Gram is happy. のように、be動詞の後ろに来る形もありますが、名詞(Gram)の様子を説明していることに変わりはありません。
名詞にくっつく飾りは、入門編6-bでも見ています。
▶︎飾りが長くなったら?|ものの名前にくっつく飾りの見つけ方【グラムとえいご!6-b】
副詞が飾る相手は、4通り
副詞は、名詞以外を飾ります。 飾る相手は、4通りです。
・動詞を飾る:Gram runs fast.(グラムは速く走る)… fast が runs を飾る
・形容詞を飾る:Gram is very happy.(グラムはとても幸せだ)… very が happy を飾る
・別の副詞を飾る:Gram runs very fast.(グラムはとても速く走る)… very が fast を飾る
・文全体を飾る:Luckily, Gram found his glasses.(運よく、グラムはメガネを見つけた)… Luckily が文全体を飾る
見分けのコツは、たった1つです。その単語は、何を飾っているのか。 名詞を飾っていれば形容詞、名詞以外を飾っていれば副詞です。
※これは基本の見方です。only や even のように、名詞を飾る副詞もありますが、それは出会った回で扱います。
ちなみに、fast は、a fast runner では形容詞、runs fast では副詞でした。同じ単語でも、飾る相手が変われば、品詞も変わります。


入門編6-cでも、動詞に足される1語の飾り(early など)を、学校では「副詞」と呼ぶ、と一度だけ紹介しました。
▶︎飾りは、いつも外せる?|動詞や文に足される飾りの見つけ方【グラムとえいご!6-c】
前置詞・接続詞・間投詞とは?|残り3つは、働き方が三者三様
前置詞は、名詞の前に置かれて、その名詞とセットで働きます。in the park、with Gram、for Tobey のように、前置詞だけでは意味が完成せず、後ろの名詞とくっついて1つのかたまりになります。入門編6-bで見た、in や with で始まる飾りが、まさにこれです。このかたまりが文のどこにくっつくのかは、柱2で本格的に扱います。
接続詞は、語や文をつなぐことばです。
・Gram and Tobey(グラムとトビー)… 語と語をつなぐ
・Gram runs, but Tobey walks.(グラムは走るが、トビーは歩く)… 文と文をつなぐ
間投詞は、Oh! や Wow! や Hey! のように、感情や呼びかけを表すことばです。文の骨組みとは関係なく、ぽんと置かれます。読解で悩むことはほとんどないので、「そういう品詞もある」とだけ覚えておけば十分です。
入門編7-aで扱った and・but・or などの「つなぎことば」は、この接続詞のことです。何と何をつないでいるのかを見極める練習は、柱2でじっくり行います。
▶︎and・but・or は、何と何を結んでいる?|2つをつなぐ「つなぎことば」とは【グラムとえいご!7-a】
同じ単語でも品詞が変わる|品詞と「箱」は別のもの
ここまでで、8品詞のおさらいは終わりです。最後に、冒頭の last に戻ります。
品詞は、単語ではなく文で決まる
この記事の中でも、すでに2回出てきました。
・last は、The sale will last until Sunday. では動詞(続く)
・fast は、a fast runner では形容詞、Gram runs fast. では副詞
どの品詞なのかは、単語だけを見ても決まりません。その単語が置かれた文で決まります。基礎編ガイダンスでお話しした run の誤読(a run of bad luck の run を、動詞と決め打ちした話)も、同じ仕組みでした。
では、品詞さえ決まれば、英文は読めるのでしょうか。
品詞が同じでも、文の中の役割は違う
次の2文を見てください。
Tobey made Gram lunch.
Tobey made Gram captain.
どちらも、品詞は「名詞・動詞・名詞・名詞」。並びがまったく同じです。ところが、読み方は違います。
・1文目:Gram は「誰に?」、lunch は「何を?」の答えです。目的語が2つ並ぶ文で、「トビーは、グラムに昼ごはんを作った」
・2文目:Gram=captain と「=」でつながります。captain は、「=」でつながる相棒(補語)で、「トビーは、グラムをキャプテンにした」
品詞が教えてくれるのは、単語の種類までです。「その単語が文の中で何をしているのか」という役割までは、教えてくれません。
その役割を決めているのが、入門編で出会った5つの箱(S・V・O・C・M)です。lunch は「動きが向かう先」の箱に、captain は「=でつながる相棒」の箱に入っています。同じ名詞でも、どの箱に入るかで、読み方が変わります。
品詞と箱がどう結びつくのかは、次回、S・V・O・C・Mをしっかり解説するなかで、はっきりさせます。


この2つの形の見分け方は、入門編5-bで見ています。
▶︎相棒は、目的語のあとにもいる?|補語のもう1つの居場所【グラムとえいご!5-b】
まとめ|品詞は「単語の種類」。読むには「文の中の役割」が要る
今回のポイントは3つです。
・品詞は、単語の「種類」。名詞・代名詞・動詞・形容詞・副詞・前置詞・接続詞・間投詞の8つ
・形容詞は名詞を飾り、副詞は名詞以外を飾る。見分けは「何を飾っているか」で決める
・同じ単語でも、文によって品詞が変わる。品詞(種類)と箱(役割)は別のもの
今回は、品詞という「単語のほう」の地図を確認しました。次回は、いよいよ「文の中のほう」へ。基礎編の背骨になる、5つの箱(S・V・O・C・M)の回です。
それでは、確認問題に行ってみましょう!
答えを見る前に、「その単語は、何を飾っているのか? 何をつないでいるのか?」を、自分の言葉で言ってみてください。
【問題①】 太字の語の品詞を、それぞれ答えてください。
Gram sat on the sofa, but Tobey stood.
【問題②】 2つの文の fast は、それぞれ何詞ですか。
(a) Tobey drives a fast car.
(b) Tobey drives fast.
【問題③】 太字の副詞は、何を飾っていますか。
Tobey is very tired.
① on は前置詞(the sofa とセットで働く)、but は接続詞(文と文をつなぐ)。(グラムはソファに座っていたが、トビーは立っていた)
② (a) 形容詞(名詞 car を飾る)/(b) 副詞(動詞 drives を飾る)。同じ fast でも、飾る相手で品詞が変わります。((a) トビーは、速い車を運転する/(b) トビーは、速く運転する)
③ tired(形容詞)を飾っています。very は副詞です。(トビーは、とても疲れている)
基礎編全体の中で、今どのあたりにいるのかは、こちらの地図で確かめられます。
▶︎英文はたった5つの「箱」でできている|グラミーと英語 基礎編・全35話の地図【基礎編ガイダンス】
Tobey English!





