前回の記事1-cで、英文を作る5つの箱と、その目印(S・V・O・C・M)を見ました。
今回からは、その箱を1つずつ見つけていく旅です。最初に探すのは、V=「動き」の箱。英文の中で、実際に「動いていることば」はどれなのか。易しい例文をいくつも使って、見つける目を慣らしていきます。
動いていることばって、結局どれ?|見つけ方は「勘」じゃない
グラム前回、5つの箱を全部起こしましたよね。



うん、起こした(グラムが)



トビーさんは横で「言い得て妙」って言ってただけです。



合いの手も、立派な仕事ですから。



今日は、その中から1つ目を探しにいきますよ。



どの箱から?



V、動きの箱です。SとVはほぼ必ずいるって、前回出てきましたよね。



出てきた。……たしか。



じゃあ聞きます。動いていることばって、どうやって見つけるんですか?



勘ですね。



英検1級ホルダーの答えとは思えません……



迷走した20年があるから、勘が冴えるんです。



冴えてたら、迷走してないです。



……今日も切れ味鋭くバッサリやってくれて、ありがとう。
5つの箱の全体像は、前回の1-cで詳しく扱っています。まだの方は、先にこちらからどうぞ。
▶︎なぜ英語は「順番」がすべてなのか|英文を作る5つの箱で、迷わず読む【グラムとえいご!1-c】
「動いていることば」の見つけ方|日本語訳の最後がヒント
まずは、次の1文から始めます。
The dog runs in the park.
(その犬は、公園で走る)
この文は、The dog / runs / in the park の3つの箱でできています。The dog は、前回の呼び方でいう動きの持ち主(S)。in the park は、場所をつけ足している飾り(M)です。
では、この文の中で実際に「動いている」ことばはどれでしょうか。答えは runs です。犬が何をしているのか、その動きそのものを表しているのは runs だけです。
見つけるときのヒントは、日本語訳の最後にあります。「その犬は、公園で走る」の最後は「走る」。日本語では、「〜する」「〜した」にあたる動きのことばは、ふつう文の最後に来ます。この「走る」にあたる英語が runs です。
ただし、英語で動きのことばが置かれるのは、文の最後ではありません。動きの持ち主のすぐ後ろです。日本語の感覚のまま文末を探すと、見つかりません。
もう1文、同じ手順で見てみます。
Birds sing in the morning.
(鳥は、朝に鳴く)
日本語訳の最後は「鳴く」。英語では、動きの持ち主 Birds のすぐ後ろにある sing が、動いていることばです。


日本語と英語で、ことばの並び方がどう違うのかは、1-aで詳しく扱っています。
▶︎てにをはマジック|英語は”語順”が命、日本語とのちがいを知る【グラムとえいご!1-a】
5つの文で、見つける目を慣らす|手順はさっきと同じ
ここからは、同じ手順をくり返して目を慣らします。まず日本語訳の最後を見て、それにあたる英語を、動きの持ち主のすぐ後ろで探してください。答えは各文の下にあります。
① My father cooks dinner on Sundays.
(父は、日曜日に夕食を作る)
→ 動いていることば:cooks
② The baby sleeps in the afternoon.
(その赤ちゃんは、午後に眠る)
→ 動いていることば:sleeps
③ We walked to the station.
(私たちは、駅まで歩いた)
→ 動いていることば:walked
④ Ken plays the guitar every night.
(ケンは、毎晩ギターを弾く)
→ 動いていることば:plays
⑤ The train left at seven.
(その電車は、7時に出発した)
→ 動いていることば:left
③の walked と⑤の left は、過去のことを表しているので形が変わっています。walked は walk に -ed がついた形、left は leave(出発する)の形そのものが変わったものです。形が変わっても、動きを表していることに変わりはありません。
5文とも、動いていることばは持ち主のすぐ後ろにいました。これが、英文の中でVの箱を見つける基本の手順です。
持ち主・動き・動きが向かう先の並び方を崩すとどうなるかは、1-bで実験しています。
▶︎同じ内容なのに、通じない|英語の語順を”日本語ノリ”で並べ替えると、文が壊れる【グラムとえいご!1-b】
動いていることばには名前がある|「動詞」とVの正体
もう1文、同じ手順で探してみます。
Tobey studies English every day.
(トビーは、毎日英語を勉強する)
日本語訳の最後は「勉強する」。動きの持ち主 Tobey のすぐ後ろを見ると、studies があります。これが、この文の動いていることばです。
ここで、これまで「動いていることば」と呼んできたものに、正式な名前をつけます。動詞(どうし)です。英語では verb と呼びます。
1-cで見た目印の「V」は、この verb の頭文字でした。つまりVの箱とは、動詞が入る箱のことです。runs も sing も studies も、さきほどの5文で見つけた cooks や left も、すべて動詞です。
名前がついても、やることは変わりません。日本語訳の最後を手がかりに、動きの持ち主のすぐ後ろを探す。動詞を見つける手順は、これまでと同じです。
なお、S・O・C・Mの正式な名前は、この先の回で1つずつ明かしていきます。


見た目にだまされない|その単語、本当に動いている?
ここまでの手順で、たいていの文の動詞は見つかります。ただし、見た目にだまされやすい単語もあります。
The runners finished the race.
(ランナーたちは、レースを終えた)
runners には run(走る)が入っているので、つい動いていることばに見えます。でも runners は「走る人たち」。動いている人を表すことばで、動きそのものではありません。この文では、The runners が動きの持ち主(S)の箱に入ります。
手順どおりに確かめてみます。日本語訳の最後は「終えた」。持ち主 The runners のすぐ後ろにある finished が、この文の動詞です。
もう1文、見てみます。
The teacher speaks slowly.
(その先生は、ゆっくり話す)
teacher にも teach(教える)が入っていますが、意味は「教える人」です。訳の最後は「話す」。持ち主 The teacher のすぐ後ろにある speaks が動詞です。
大事なのは、動きっぽい見た目ではなく、その文の中で実際に動いているかどうかです。迷ったら、「日本語訳の最後」と「持ち主のすぐ後ろ」の2か所で確かめてください。


まとめ|動詞が見つかれば、文の真ん中が見える
今回は、英文の中から「動いていることば」を探しました。ポイントは3つです。
・見つけ方は、日本語訳の最後の「〜する」を手がかりに、動きの持ち主のすぐ後ろを探すこと
・動いていることばの正式な名前は、動詞(verb)。目印のVは、verb の頭文字
・runners や teacher のように、動きっぽい見た目の単語にだまされないこと
動詞は、英文の真ん中にある箱です。ここが見つかれば、その前後にほかの箱がどう並んでいるかも見えやすくなります。
実は、動いてもいないのに「動詞」と呼ばれることばもあります。次回は、その仲間に会いにいきます。



では、ミニ練習問題に行ってみましょう。
① 並べ替えて英文を作り、意味を答えてください。
the / dog / ran / fast
② 意味が変わるように、語順を入れ替えてください。
Gram teaches Tobey.
③ 「私の姉は宿題を終えた」という意味になるように、並べ替えてください。
her / finished / sister / homework / my
① The dog ran fast.(その犬は、速く走った)
動詞:ran(run が過去の形に変わったもの)
② Tobey teaches Gram.(トビーが、グラムに教える)
動詞:teaches。持ち主と動きが向かう先を入れ替えると、意味は逆になります。でも、動詞の位置(持ち主のすぐ後ろ)は変わりません。
③ My sister finished her homework.(私の姉は、宿題を終えた)
動詞:finished
入門編全18話のなかで、今どのあたりにいるのかは、こちらの地図で確かめられます。
▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】
Tobey English!





