動詞の持ち主はだれ?|主語ってどれ?【グラムとえいご!3-a】

入門編「グラムとえいご!」のアイキャッチ。丘の上の道に③と書かれたオレンジの道しるべが立ち、奥の旗へと道が続いている。右下には方位磁針

英文の中で、「誰が」動いているのか。いつも、すぐにわかりますか? 

前回の2-cの最後に、「持ち主は、いつも見つけやすいとは限りません」と予告しました。今回から、③段に入ります。主役は、これまで動詞を探す手がかりにしてきた「動きの持ち主」。どこにいて、どうすれば見つかるのか。そして、その正式な名前は何か。順番に見ていきます。

グラムとえいご!全18話①〜⑧の旅
①
語順感覚
②
動詞感覚
今はここ!3-a
③
主語感覚
④
目的語感覚
⑤
補語感覚
⑥
修飾感覚
⑦
つなぎ感覚
⑧
種明かし
✦ このブログでわかること
・ 動きの持ち主は、いつも見つかる?──日本語の感覚が生む落とし穴
・ 持ち主の正式な名前「主語」と、左から読んで見つけるコツ
・ 主語は1語とは限らない:2語・3語の主語と、「〜すること」の -ing の主語
目次

動きの持ち主は、いつも見つかる?|日本語の感覚が邪魔をする

トビー

今日は、英作文から。「昨日、ラーメンを食べた」。英語にしてみて。

グラム

Ate ramen yesterday. です。

トビー

では、食べたのは誰でしょう?

グラム

え? 書いてないです。日本語にもなかったので。

トビー

そこが落とし穴。日本語は、持ち主を言わなくても通じる。

グラム

英語は、通じないんですか?

トビー

ふつうの英語の文は、持ち主をちゃんと言うね。I ate ramen yesterday.

グラム

I が1つ増えただけですよね。

トビー

その I こそ、2-cまで動詞を探す手がかりにしてきた、動きの持ち主。

グラム

あ。持ち主がいないと、すぐ後ろの動詞も探せません。

トビー

そう。だから今回は、持ち主のほうを主役にします。

グラム

そういえば、トビーさんの仕事のメール、「例の件、よろしくお願いします」だけでした。

トビー

日本のビジネスは、行間を読みますから。それで回るんです。

グラム

でも、納期の件でトラブってたじゃないですか!

トビー

……リアルお仕事の話は忘れたい問題。

動詞の顔をした偽物と、持ち主のすぐ後ろで本物の動詞を見分ける方法は、前回の2-cで扱っています。まだの方は、先にこちらからどうぞ。
▶︎動詞の顔をした偽物|-ingとto-の正体【グラムとえいご!2-c】

持ち主の見つけ方|左から読んで「誰が?何が?」を探す

「昨日、ラーメンを食べた」。
日本語では、食べたのが誰かを言わなくても、ふつうに通じます。ところが英語では、ふつうの文なら持ち主を言います。

I ate ramen yesterday.
(私は、昨日ラーメンを食べた)

グラムが引っかかったのは、ここです。日本語の感覚のまま英語にすると、持ち主が消えてしまいます。英文を読むときも同じで、「持ち主は言わなくてもわかるはず」と思っていると、見落とします。

持ち主の見つけ方は、次の2段階です。

・① 英文を左から読み、「誰が?」「何が?」にあたることばを探す
・② 見つけたら、そのすぐ後ろに動詞があるかを確かめる

②は、2-aで紹介した見つけ方「動きの持ち主のすぐ後ろ」と同じ向きです。持ち主が見つかれば、動詞も見つかります。

Mika lives in Osaka.
(ミカは、大阪に住んでいる)

左から読むと、最初に「誰が?」にあたるのは Mika。すぐ後ろの lives が動詞です。

Water boils at 100 degrees.
(水は、100度で沸騰する)

「何が?」にあたるのは Water。すぐ後ろの boils が動詞です。持ち主は、人とは限りません。

ただし、文の先頭が、いつも持ち主とは限りません。

Yesterday, I ate ramen.
(昨日、私はラーメンを食べた)

先頭の Yesterday は「昨日」で、「誰が?」の答えにはなりません。1-cで見た、文の先頭に動かせる飾りです。持ち主は、次の I。すぐ後ろの ate が動詞です。探すのは「文の先頭」ではなく、「誰が?何が?」の答えです。

持ち主の見つけ方の図。上段「ふつうの文」I ate ramen yesterday. で、I が持ち主、ate が動詞。左から読んで「誰が?何が?」を探し、すぐ後ろの動詞で確かめる2ステップ。下段「先頭に飾りがあるとき」Yesterday, I ate ramen. で、Yesterday は飾りで「誰が?」の答えではなく、持ち主は I
キャプション:文の先頭が、いつも持ち主とは限らない

動詞の見つけ方の2つの手順は、2-aで扱っています。
▶︎まずは動いていることばを探せ|動詞ってどれ?【グラムとえいご!2-a】

主語とは?|動きの持ち主の正式な名前と、Sの正体

Mika lives in Osaka. の Mika。
これまで「動きの持ち主」と呼んできたことばに、ここで正式な名前をつけます。

動きの持ち主は、「主語(しゅご)」と呼ばれます。英語では subject(サブジェクト)です。

1-cで、5つの箱に S・V・O・C・M の目印をつけました。持ち主の箱の目印 S は、subject の頭文字だったのです。つまり、Sの箱に入ることばが主語です。

2-aでは、動いていることばに「動詞(verb)」という名前がつきました。目印 V は verb の頭文字でした。これで、S(主語)と V(動詞)の2つに名前がそろったことになります。

ふつうの文では、主語と動詞はこの順で並んで、英文の土台になるペアを作っています。2-aから「持ち主のすぐ後ろ」で動詞を探してこられたのは、そのためです。

名前がついても、見つけ方は変わりません。左から読んで「誰が?何が?」の答えを探し、すぐ後ろの動詞で確かめる。それが主語です。

なお、「動きが向かう先」「=でつながる相棒」「飾り」の正式な名前は、この先の回で1つずつ明かします。

「動きの持ち主」→名札「主語(しゅご)subject」→アンバーの箱「S」と、呼び方が正式な名前と目印につながる図。下に Mika lives in Osaka. を置き、Mika が S(主語)、lives が V(動詞)で、2つで「文の土台になるペア」

5つの箱と S・V・O・C・M の目印は、1-cで扱っています。
▶︎なぜ英語は「順番」がすべてなのか|英文を作る5つの箱で、迷わず読む【グラムとえいご!1-c】

英語の主語は1語とは限らない|2語・3語でも、まとめて1つの主語

ここまでの主語は、I・Mika・Water と、どれも1語でした。でも、主語はいつも1語とは限りません。

The tall boy lives next door.
(背の高い男の子は、隣に住んでいる)

「誰が?」と問うと、答えは boy だけではありません。「背の高い男の子」です。The tall boy の3語で1人を表しているので、3語をまとめて1つの主語として取ります。すぐ後ろの lives が動詞です。

My old car makes a strange noise.
(私の古い車は、変な音を立てる)

「何が?」の答えは、My old car(私の古い車)。3語で1つの主語です。動詞は、すぐ後ろの makes。

Her little dog barks at night.
(彼女の小さな犬は、夜にほえる)

「何が?」の答えは、Her little dog(彼女の小さな犬)。動詞は barks です。

よくある見落としは、boy・car・dog の1語だけを主語だと思ってしまうことです。tall(背の高い)・old(古い)・little(小さな)は、どんな男の子か、どんな車か、どんな犬かを表す、様子を表すことばです。主語の一部なので、切り離さずにまとめて取ります。先頭の The(その)・My(私の)・Her(彼女の)も同じです。どの男の子か、誰の車か、誰の犬かを表しているので、一緒に取ります。

主語の終わりは、動詞に出会ったところです。左から読み進めて、「誰が?何が?」の答えを、動詞の手前までまとめて取ればよいのです。

主語がさらに長くなる文もあります。それは、飾りを扱う⑥段で見ます。

-ing も主語になる?|「〜すること」が主語になるとき

2-cでは、「〜すること」と訳せる -ing は、動詞ではなく「ものの名前」だと見ました。そして、ものの名前は、文によって入る箱が変わる、とだけ述べました。

今回、その箱の1つに名前がつきました。主語です。

Cooking takes time.
(料理をすることには、時間がかかる)

左から読むと、最初の Cooking は動詞に見えます。でも、「何が?」と問うと、答えは「料理をすること」。Cooking は、ものの名前として、主語になっています。動詞は、すぐ後ろの takes です。

Playing tennis is my hobby.
(テニスをすることは、私の趣味だ)

「何が?」の答えは、Playing tennis(テニスをすること)。2語で1つの主語です。動詞は、すぐ後ろの is。2-bで見た be動詞の「=」の働きです(Playing tennis = my hobby)。

主語になるのは、人や物を表すことばだけではありません。「〜すること」の -ing も、ものの名前として主語になります。文の先頭に -ing を見ても、すぐに動詞と決めず、「何が?」と問いかけてください。

主語になることばの3つのタイプを並べた表。1語の主語(Mika lives in Osaka. の Mika)、2語・3語の主語(The tall boy lives next door. の The tall boy)、「〜すること」の -ing の主語(Cooking takes time. の Cooking)

be動詞の「=」の働きと、ものの名前を表すことばは、2-bで扱っています。
▶︎「=」も「いる・ある」も動詞|be動詞も立派な仲間【グラムとえいご!2-b】

まとめ|主語は「誰が?何が?」で見つかる

今回は、動きの持ち主=主語を見ました。ポイントは3つです。

・ふつうの英文では、持ち主(主語)を言う。左から読んで「誰が?何が?」の答えを探し、すぐ後ろの動詞で確かめる
・主語は1語とは限らない。「誰が?何が?」の答えを、動詞の手前までまとめて1つの主語として取る
・「〜すること」の -ing も、ものの名前として主語になる

2-aで見つけた動詞と、今回名前がついた主語。この2つは、英文の土台になるペアです。ふつうの文では、主語が見えれば、そのすぐ後ろに動詞が見えます。

最後にひとつ。今回は、主語が動詞の前にいる文を見てきました。ところが英語には、主語が動詞の後ろに回る文もあります。


グラム

では、ミニ練習問題に行ってみましょう。

① 意味を答えてください。
My younger brother collects stamps.

② girl と dog を入れ替えて、意味が変わる文を作ってください。
The girl follows the dog.

③ 意味を答えてください。
Skiing costs a lot of money.

① My younger brother collects stamps.(私の弟は、切手を集めている)
主語:My younger brother(3語で1つの主語)。動詞は、すぐ後ろの collects。

② The dog follows the girl.(その犬は、その女の子のあとをついていく)
主語:The dog。動詞は、すぐ後ろの follows。girl と dog を入れ替えると、主語が The girl から The dog に変わり、ついていく側とついていかれる側が逆になります。主語が変わると、文の意味が変わります。

③ Skiing costs a lot of money.(スキーをすることには、お金がたくさんかかる)
主語:Skiing(「スキーをすること」で、ものの名前の働き)。動詞は、すぐ後ろの costs。

③段からは、5つの箱に1つずつ名前をつけていく旅が続きます。今、どこまで来たのかを地図で見てみましょう。


③からは、5つの箱に1つずつ名前をつけていく旅が続きます。今、どこまで来たのかを地図で見てみましょう。

入門編の旅の地図。①語順感覚・②動詞感覚を通過し、③主語感覚が現在地。S・V・O・C・Mの5つの札のうち、Sに「主語」、Vに「動詞」の名前がつき、O・C・Mは「この先で名前がつく」 キャプション:名前がついても、探し方は変わらない

全18話の地図は、こちらで確かめられます。
▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】

グラミー

Tobey English!


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