動詞の顔をした偽物|-ingとto-の正体【グラムとえいご!2-c】

「入門編:グラムとえいご!」のロゴの下に、緑の丘と山並みが広がる風景。左手前に②と書かれたオレンジの道しるべの看板が立ち、そこから奥の旗へ向かって道が続いている。右下にはコンパスがある。

『動詞の顔をしているのに、動詞ではない。そんな偽物が、英文にはまぎれています。』──前回の最後に、そう予告しました。今回は、その正体を暴いていきます。手がかりは、2-aで身につけた動詞の見つけ方です。偽物はどんな顔をしているのか。動詞でないなら、文の中で何をしているのか。順番に見ていきます。

グラムとえいご!全18話①〜⑧の旅
①
語順感覚
今はここ!2-c
②
動詞感覚
③
主語感覚
④
目的語感覚
⑤
補語感覚
⑥
修飾感覚
⑦
つなぎ感覚
⑧
種明かし
✦ このブログでわかること
・ I want to swim. の動詞が、swim ではない理由
・ to+動詞と -ing を見破る、ただ1つの決め手
・ 偽物の正体:「飾り」と「ものの名前」
目次

I want to swim. の動詞はどれ?|動詞の顔をした偽物、登場

グラム

前回の最後、「偽物がまぎれています」って言いましたよね。

トビー

言いました。探偵ものの予告編みたいに。

グラム

じゃあ、犯人は誰なんですか。

トビー

まずは、この1文から。I want to swim.

グラム

「私は泳ぎたい」。動詞は swim です。泳ぐ、ですから。

トビー

見事に、一直線に引っかかってくれた。

グラム

えっ、違うんですか?

トビー

2-aの見つけ方、覚えてる? 動きの持ち主の、すぐ後ろ。

グラム

持ち主は I。すぐ後ろは……want。

トビー

そう。動詞は want。swim は、動詞の顔をしているだけ。

グラム

でも swim は、泳ぐ動きですよ。

トビー

グラムはまだ子供だからわからないんだよ。今日は、偽物の見破り方をやります。

グラム

大人のトビーさんもこの前まで引っかかってましたよね。

トビー

ぐうの音もでません。

to+動詞は動詞じゃない?Vの箱に入らない理由|決め手は「持ち主のすぐ後ろ」

I want to swim. の動詞は、want です。swim ではありません。

2-aで紹介した、動詞の見つけ方を思い出してください。

・① 日本語訳の最後の「〜する」を手がかりにする
・② 動きの持ち主のすぐ後ろを探す

I want to swim. を訳すと「私は泳ぎたい」です。最後にあるのは「泳ぐ」なので、①だけで探すと swim を選んでしまいます。グラムが引っかかったのは、ここです。

決め手は②です。動きの持ち主は I。そのすぐ後ろにあるのは want です。swim の前には to が付いていて、持ち主のすぐ後ろにはいません。

She needs to rest.
(彼女は、休む必要がある)

持ち主 She のすぐ後ろは needs です。これが動詞です。rest(休む)は、前に to が付いて to rest になっています。

このように、前に to が付いた動詞の形(to+動詞)は、動詞の顔をしていても、Vの箱には入りません。

①の手がかりは、動詞を探す入り口としては今も使えます。ただ、偽物がまぎれているときは、①だけで決めずに、必ず②で確かめてください。

動詞の見つけ方の2つの手順は、2-aで扱っています。
▶︎まずは動いていることばを探せ|動詞ってどれ?【グラムとえいご!2-a】

-ing も動詞じゃない?|見つけ方は変わらない

偽物は、to+動詞だけではありません。動詞に -ing が付いた形も、同じ偽物です。

I enjoy cooking.
(私は、料理することを楽しむ)

持ち主 I のすぐ後ろは enjoy です。これが動詞です。cooking は、cook(料理する)に -ing が付いた形で、持ち主のすぐ後ろにはいません。

見つけ方は、to+動詞のときと同じです。本物と偽物を並べると、次のようになります。

・本物の動詞:持ち主のすぐ後ろにある(want/needs/enjoy)
・偽物①:前に to が付いている(to swim/to rest)
・偽物②:-ing の形をしている(cooking)

動詞らしいことばが2つ並んでいたら、本物は持ち主のすぐ後ろにあるほうです。もう一方の to+動詞や -ing は、動詞の顔をしていても、Vの箱には入りません。

【注意】
She is running.(彼女は、走っている)のように、-ing のすぐ前に is などの be動詞があるときは、今回の偽物とは別の形です。is と running がセットで「〜している」という意味を表し、学校では「進行形」と呼ばれます。この形でも、見つける目印は変わりません。持ち主 She のすぐ後ろの is から読んでください。

本物の動詞と偽物2種の見分け表。本物の動詞(Vの箱に入る)は動きの持ち主のすぐ後ろにある(I want to swim./I enjoy cooking. の want と enjoy)。偽物①は前に to が付いている(to swim/to rest)。偽物②は -ing の形をしている(cooking)。注意書き「動詞らしいことばが2つあったら、持ち主のすぐ後ろを確かめる」

to+動詞の「〜するために」は飾り|偽物の正体①

では、偽物の正体は何者なのでしょうか。動詞でないなら、文の中でどんな仕事をしているのか。正体は2つあります。1つ目は「飾り」です。

I study to pass the test.
(私は、試験に受かるために勉強する)

動詞は、持ち主 I のすぐ後ろの study です。to pass the test は、「試験に受かるために」と、勉強する目的を足しています。文の骨組みは I study.(私は勉強する)で、to pass the test がなくても文は成り立ちます。これが「飾り」の働きです。

1-cでは、飾りは文の先頭に動かせると見ました。to pass the test も同じです。

To pass the test, I study.
(試験に受かるために、私は勉強する)

先頭に動かしても、意味は変わりません。

見分けのコツは、日本語訳です。「〜するために」と訳せたら、飾りの働きをしています。

飾りが先頭に動かせることは、1-cで扱っています。
▶︎なぜ英語は「順番」がすべてなのか|英文を作る5つの箱で、迷わず読む【グラムとえいご!1-c】

-ing・to+動詞の「〜すること」はものの名前|偽物の正体②

正体の2つ目は、「ものの名前」です。

I like swimming.
(私は、泳ぐことが好きだ)

swimming は「泳ぐこと」です。動きそのものではなく、「泳ぐこと」という1つのものの名前として使われています。2-bで見た「ものの名前を表すことば」の仲間です。ここでは、like(好きだ)の動きが向かう先になっています。

ものの名前なので、文の先頭に来て、動きの持ち主になることもあります。

Swimming is fun.
(泳ぐことは、楽しい)

文頭の Swimming は動詞に見えますが、ここでは持ち主です。動詞は、そのすぐ後ろの is。2-bで見た be動詞の「=」の働きです(Swimming = fun)。

このように、ものの名前の働きをするときは、文によって入る箱が変わります。今は、「〜すること」と訳せたら、ものの名前の働き、と覚えておけば十分です。

最後に、前出の I want to swim. に戻ります。この to swim も、実はこちらの仲間です。自然な訳は「泳ぎたい」ですが、直訳すると「泳ぐことを望む」。want(望む)の動きが向かう先が、to swim、つまり「泳ぐこと」です。

	偽物の2つの正体の左右比較。左の正体①飾り:「〜するために」と訳せたら。I study to pass the test.(試験に受かるために勉強する)。先頭に動かせる(To pass the test, I study.)。右の正体②ものの名前:「〜すること」と訳せたら。I like swimming.(泳ぐことが好きだ)と Swimming is fun.(泳ぐことは、楽しい)。注意書き「to や -ing を見たら、すぐに動詞と決めない」

まとめ|動詞の顔をしていても、動詞とは限らない

今回は、動詞の顔をした偽物を見ました。ポイントは3つです。

・動詞らしいことばが2つ並んでいたら、本物の動詞は持ち主のすぐ後ろにある
・もう一方の to+動詞や -ing は、動詞の顔をした偽物。Vの箱には入らない
・偽物の正体は2つ。「〜するために」なら飾り、「〜すること」ならものの名前

②段の3本で、動詞の仲間の範囲がはっきりしました。仲間は、動きを表す動詞(2-a)と、動きを表さない be動詞(2-b)。そして、動詞の顔をしていても仲間ではないのが、今回の偽物(2-c)です。Vの箱に入る本物の動詞は、持ち主のすぐ後ろで見つかります。

最後にひとつ。ここまで、動詞を見つける手がかりにしてきた「動きの持ち主」。次回からは、この持ち主のほうに目を向けます。持ち主は、いつも見つけやすいとは限りません。


グラム

では、ミニ練習問題に行ってみましょう。

① 動詞に印をつけて、意味を答えてください。
My father loves fishing.

② 並べ替えて英文を作り、意味を答えてください。
he / milk / to buy / went out

③ 動詞に印をつけて、意味を答えてください。
Reading is fun.

① My father loves fishing.(私の父は、釣りをすることが大好きだ)
動詞:loves。fishing は「釣りをすること」で、ものの名前の働き(loves の動きが向かう先)。

② He went out to buy milk.(彼は、牛乳を買うために出かけた)
動詞:went(went out で「出かけた」)。to buy milk は「牛乳を買うために」で、飾りの働き。To buy milk, he went out. と先頭に動かすこともできます。

③ Reading is fun.(読むことは、楽しい)
動詞:is。文頭の Reading は「読むこと」で、ものの名前の働き(動きの持ち主)。Reading = fun の関係です。

入門編全18話のなかで、今どのあたりにいるのかは、こちらの地図で確かめられます。
▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】

グラミー

Tobey English!


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