前回の最後に、「動いてもいないのに『動詞』と呼ばれることばがある」と予告しました。今回は、その仲間に会いにいきます。正体は、be動詞。am・is・are といった、学校でおなじみの顔ぶれです。動きを表さないのに、なぜ動詞の仲間なのか。動きを表す動詞とは、どこが違うのか。be動詞の2つの働きを手がかりに、整理していきます。
be動詞は動かないのに、なぜ動詞?|名前に偽りあり疑惑
グラム前回の最後、トビーさん、予告してましたよね。「動いてもいないのに『動詞』と呼ばれることばがある」って。



うん。伏線出しってやつですね。



動いてないのに動詞って、名前に偽りありじゃないですか。



10歳の口から「名前に偽りあり」が出てくる世の中、ちょっと怖い。



だって「動」の「詞」ですよ。動かないなら、名乗っちゃだめです。



そのロジカルシンキングさ。さすがはグラミーの子供ですなー。



で、そのことばって誰なんですか?



am、is、are。学校で習った、あの3人組。



be動詞ですね。さすがに知ってます。



じゃあ聞くけど、be動詞を「動詞」だと思って読んだこと、ある?



……ないです。ただの「です」だと思ってました。



今回は、こちらがドヤ顔をさせていただきます。



トビーさんも、昔は同じだったんじゃないですか?



……その質問には、黙秘権を使います。
「動いていることば」の見つけ方は、前回の2-aで扱っています。まだの方は、先にこちらからどうぞ。
▶︎まずは動いていることばを探せ|動詞ってどれ?【グラムとえいご!2-a】
be動詞の仲間たち|am・is・are・was・were
be動詞は、am・is・are・was・were の5つです。どれを使うかは、動きの持ち主で決まります。be動詞の文には動きがありませんが、この呼び方はそのまま使っていきます。
現在のことを言うときは、次のとおりです。
・持ち主が I(私)のときは am
・持ち主が I と You 以外で、1人・1つのとき(He/She/It/Gram/The cat など)は is
・持ち主が You(あなた)のときや、2人以上のとき(We/They/Birds など)は are
I am a student.
(私は、学生です)
She is a doctor.
(彼女は、医者です)
We are friends.
(私たちは、友だちです)
過去のことを言うときは、was と were に変わります。am と is は was に、are は were になります。
We were at home.
(私たちは、家にいた)
前回、動詞は walked や left のように、過去の形に変わると見ました。be動詞も同じです。ただし be動詞は、現在で3つ、過去で2つと、形がはっきり分かれているのが特徴です。
動詞を探す手順も、前回と同じです。I am a student. の日本語訳の最後は「学生です」で、「〜する」の形ではありません。それでも、動きの持ち主 I のすぐ後ろにある am が動詞です。見つける場所は、変わりません。


働き①「=」|持ち主と相棒をつなぐ
be動詞の1つ目の働きは、「=」です。持ち主と、そのあとに続くことばを、イコールで結びます。
This is my bag.
(これは、私のかばんです)
This = my bag の関係です。is が、2つをつなぐ役をしています。
The soup is hot.
(そのスープは、熱い)
The soup = hot。ものの名前を表すことばだけでなく、様子を表すことばも、イコールの相手になれます。
1-cで見た5つの箱のうち、「=でつながる相棒(C)」の箱には、この「=」の相手が入ります。
では、動きが向かう先(O)とは、どう違うのでしょうか。前回の宿題に出てきた1文と比べてみます。
Gram teaches Tobey.
(グラムは、トビーに教える)
Gram is a student.
(グラムは、学生です)
前者は、グラムとトビーは別の人です。教える動きが、トビーに向かっています。後者は、Gram = a student。動きはなく、持ち主とそのあとのことばが、同じものを指しています。
働き②「いる・ある」|場所とセットで
be動詞の2つ目の働きは、「いる・ある」です。
The cat is under the table.
(そのネコは、テーブルの下にいる)
My phone is in my bag.
(私の携帯は、かばんの中にある)
どちらも、is のあとに、場所を表すことばが続いています。この is は、「=」ではなく、「いる・ある」の意味です。The cat = under the table ではありません。
過去の形でも同じです。
The keys were on the desk.
(鍵は、机の上にあった)
同じ is でも、働きは1つではありません。どちらの働きかは、後ろに続くことばを見れば見分けられます。この段階では、次の目安で十分です。
・後ろが、ものの名前や様子を表すことば → 「=」(This is my bag./The soup is hot.)
・後ろが、場所を表すことば → 「いる・ある」(The cat is under the table.)
be動詞を見つけたら、すぐに意味を決めずに、後ろまで目を向けてください。


「=でつながる相棒」の正式な名前は、この先の回で明かします。5つの箱の全体像を見直したい方は、1-cからどうぞ。
▶︎なぜ英語は「順番」がすべてなのか|英文を作る5つの箱で、迷わず読む【グラムとえいご!1-c】
be動詞と一般動詞はどこが違う?|動きがあるか、ないか
runs や sing のように、動きを表す動詞は、学校では「一般動詞」と呼ばれます。be動詞と、動きを表す動詞の違いは、次の3点です。
① 動きを表すか
動きを表す動詞は、runs(走る)、plays(弾く)、studies(勉強する)のように、動きそのものを表します。be動詞は、動きを表しません。表すのは、この記事で見た「=」か「いる・ある」です。
② 後ろに続くことば
動きを表す動詞の中には、The dog runs. のように、後ろに何も続かなくても文が成り立つものがあります。be動詞は、ふつう、後ろに「=」の相手か、場所が続きます。
③ 形の分かれ方
動きを表す動詞も、runs や ran のように形が変わります。be動詞は、am・is・are・was・were の5つの形に分かれ、持ち主によって使う形がほぼ決まっています。
では、動きがないのに、なぜ動詞と呼ばれるのでしょうか。
前回の2-aでは、動詞を「動いていることば」として探しました。これは、動詞を見つける入り口としては正しい見方です。ただ、動詞の仕事は、動きを表すことだけではありません。持ち主が何であるか、どこにいるかを表すのも、動詞の仕事です。動きを表すものも、表さないものも、同じVの箱に入ります。


まとめ|動きがなくても、Vの箱に入る
今回は、be動詞を見ました。ポイントは3つです。
・be動詞(am・is・are・was・were)は、動きがなくても動詞。Vの箱に入る
・be動詞の働きは2つ。「=」でつなぐことと、後ろに場所が続いて「いる・ある」を表すこと
・動きを表す動詞(一般動詞)との違いは、動きがあるか、後ろに続くことば、形の分かれ方の3つ
動詞には、動きを表すものと、動きを表さないものがあります。どちらも、同じVの箱に入ります。
最後にひとつ。動詞の顔をしているのに、動詞ではない。そんな偽物が、英文にはまぎれています。次回は、その正体を暴きにいきます。



では、ミニ練習問題に行ってみましょう。
どの問題も、答えの英文ができたら、動詞に印をつけて、「=」か「いる・ある」かも考えてみてください。
① 並べ替えて英文を作り、意味を答えてください。
the / is / water / cold
② cat と box を入れ替えて、意味が変わる文を作ってください。
The cat is under the box.
③ 「私の母は台所にいた」という意味になるように、並べ替えてください。
was / my mother / in / the kitchen
① The water is cold.(その水は、冷たい)
動詞:is(「=」の働き。The water = cold)
② The box is under the cat.(箱が、ネコの下にある)
動詞:is(「いる・ある」の働き)。cat と box を入れ替えると、持ち主が箱に変わり、意味は逆になります。でも、動詞 is の位置(持ち主のすぐ後ろ)は変わりません。
③ My mother was in the kitchen.(私の母は、台所にいた)
動詞:was(「いる・ある」の働き。is の過去の形)
入門編全18話のなかで、今どのあたりにいるのかは、こちらの地図で確かめられます。
▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】
Tobey English!





