動詞の相手はどこにいる?|目的語ってどれ?【グラムとえいご!4-a】

入門編「グラムとえいご!」のアイキャッチ。看板に4の数字、道とコンパスのイラスト

「動きは、どこへ向かうのでしょうか。」──前回の3-bの最後に、そう問いかけました。

今回から、④段に入ります。見ていくのは、主語と動詞のペアの先にいる、動詞の相手。1-cから「動きが向かう先」と、感覚ラベルだけで呼んできた箱です。探すときの問いかけは、3-aの「誰が?何が?」と1文字ちがいの、「誰を?何を?」です。

グラムとえいご!全18話①〜⑧の旅
①
語順感覚
②
動詞感覚
③
主語感覚
今はここ!4-a
④
目的語感覚
⑤
補語感覚
⑥
修飾感覚
⑦
つなぎ感覚
⑧
種明かし
✦ このブログでわかること
・ I like coffee. の主語は coffee?
・ 動きが向かう先の見つけ方と、その正式な名前
・ 動詞の後ろにあっても、動きが向かう先ではないことば
目次

I like coffee. の主語は coffee?|「コーヒーが好き」の落とし穴

グラム

トビーさん、前回の最後の問いかけです。動きは、どこへ向かうんですか?

トビー

では、この文で考えてみよう。I like coffee.

グラム

「私はコーヒーが好き」ですね。

トビー

3-aの問いかけで、主語を探すと?

グラム

『主語は「誰が?何が?」で見つかるって』言ってましたよね?じゃ、主語は coffee です!

トビー

はい、そこが落とし穴。好きなのは、誰?

グラム

……「私」です。主語は I でした。

トビー

そう。like は「〜を好む」。じゃ、何を好むの?

グラム

トビーさんの大好きな、coffee!  動詞likeの向かう先ですね。

トビー

Yes。英語ができるイケおじはコーヒー似合う。

グラム

この前、飲み過ぎると胃もたれするって言ってましたよね。

トビー

たまにははんなりとしたオチが欲しい今日この頃。

主語の見つけ方(「誰が?何が?」)は、3-a・3-bで扱いました。前回の3-bは、こちらです。まだの方は、先にどうぞ。
▶︎主語はいつも前にいる?|there構文と倒置の入り口【グラムとえいご!3-b】

動きが向かう先の見つけ方|動詞の意味で「誰を?何を?」と聞く

グラムが引っかかったのは、日本語の訳でした。「私はコーヒーが好き」の「コーヒーが」は、「何が?」の答えに見えます。でも、好きなのは I です。日本語の「が」は、いつも主語を表すとは限りません。

動きが向かう先は、次の手順で見つけます。

① 3-a・3-bの手順で、主語と動詞を見つける
② 動詞の意味で、「誰を?何を?」と聞く
③ 動詞のすぐ後ろで、その答えを探す

I like coffee. なら、like は「〜を好む」。何を好むの? 答えは coffee です。

Ken opened the window.
(ケンは窓を開けた)

何を開けたの? 答えは the window です。

We visited our grandmother.
(私たちは祖母を訪ねた)

誰を訪ねたの? 答えは our grandmother です。

I met my teacher at the station.
(私は駅で先生に会った)

日本語では「先生に」と「に」がつきますが、会う動きが向かっているのは my teacher です。at the station は、2-aで見た「飾り」です。訳の「が」や「に」ではなく、動詞の動きが誰に・何に向かっているかで考えてください。

ふつうの文では、動きが向かう先は、動詞のすぐ後ろに来ます。左から読んで、主語→動詞→動きが向かう先。ただし、動詞のすぐ後ろにあることばが、いつも動きが向かう先とは限りません。それは、このあとに見てゆきます。

動きが向かう先の見つけ方。上段:I like coffee.(私はコーヒーが好き)で、like から coffee へ向かう矢印。「何を好むの?」の答えが coffee。「が」でも主語ではない。下段:I met my teacher at the station.(私は駅で先生に会った)で、met から my teacher へ向かう矢印。at the station は印なし。注意書き「訳の『が』『に』で決めない。動詞の意味で『誰を?何を?』と聞く」

目的語(object)とは?|動きが向かう先の正式な名前と、Oの正体

これまで「動きが向かう先」と呼んできたことばに、正式な名前をつけます。

目的語(もくてきご)。英語では object です。

「目的」の「的(まと)」は、矢が向かう先にある的。動きという矢が向かう的、と覚えると、名前と中身がつながります。

1-cで見た目印の O は、object の頭文字でした。1-cの I found the book interesting. では、the book が O でした。

2-aの「動詞(verb)」、3-aの「主語(subject)」とあわせて、S・V・O の3つに名前がそろいました。ふつうの文では、主語→動詞→目的語の順に並びます。I like coffee. なら、I(主語)→ like(動詞)→ coffee(目的語)です。

名前がついても、見つけ方は変わりません。動詞の意味で「誰を?何を?」と聞き、すぐ後ろで答えを探します。

なお、「=でつながる相棒」「飾り」の正式な名前は、この先の回で1つずつ明かします。

動きが向かう先の正式な名前。左の「動きが向かう先(これまでの呼び方)」が、名札「目的語(object)」を経て、目印 O の箱(object の頭文字)になる。下段は5つの札 S・V・O・C・M で、S は主語、V は動詞、O は目的語と名前がつき、C と M は「この先で名前がつく」。注意書き「名前がついても、見つけ方は同じ。『誰を?何を?』」

5つの箱と目印(S・V・O・C・M)は、1-cで扱っています。
▶︎なぜ英語は「順番」がすべてなのか|英文を作る5つの箱で、迷わず読む【グラムとえいご!1-c】

自動詞と他動詞の違いは?|目的語がない文と、動詞の後ろの見分け方

動詞の後ろには、いつも目的語があるわけではありません。3つの場合を見ておきます。

目的語をとらない動詞|自動詞と他動詞

The children sang.
(子どもたちが歌った)

The children sang a song.
(子どもたちが歌を歌った)

1文目には、「何を?」の答えがありません。それでも、英文として成り立っています。目的語をとる動詞を、学校では「他動詞」、とらない動詞を「自動詞」と呼びます。ただし、sing のように、文によってどちらの使い方もする動詞はたくさんあります。

be動詞の後ろ|=でつながる相棒

Ken is a pilot.
(ケンはパイロットだ)

「ケンは、誰を?」とは聞けません。Ken=a pilot。2-bで見た「=でつながる相棒」です。目的語ではありません。

there構文の後ろ|主語

There is a cat on the roof. の is の後ろの a cat は、「何が?」の答えでした。3-bで見た、後ろに回った主語です。

We saw a cat on the roof.
(私たちは屋根の上に猫を見た)

こちらは「何を見たの?」の答えが a cat。目的語です。

同じ a cat でも、文によっては入る箱も違います。動詞の後ろにあるから目的語、ではありません。最後は「誰を?何を?」で確かめてください。

動詞の後ろのことばを見分ける表。We saw a cat on the roof. の a cat は「何を見たの?」の答えで目的語(O)。There is a cat on the roof. の a cat は後ろに回った主語(S)。Ken is a pilot. の a pilot は Ken = a pilot でつながる相棒(C)。The children sang. は「何を?」の答えがなく目的語なし。

be動詞の「=」の働きは、2-bで扱っています。
▶︎「=」も「いる・ある」も動詞|be動詞も立派な仲間【グラムとえいご!2-b】

英語の目的語は1語とは限らない|2語・3語も、「〜すること」も

Mika bought a new bike.
(ミカは新しい自転車を買った)

何を買ったの? 答えは a bike ではなく、a new bike です。3-aの主語と同じで、目的語も、2語・3語をまとめて1つの目的語として取ります。

「〜すること」も、目的語になります。2-cでは、I like swimming. の swimming を、like の「動きが向かう先」と見ました。あれも目的語です。

We finished cleaning the room.
(私たちは部屋を掃除し終えた)

何を終えたの? 答えは cleaning the room(部屋を掃除すること)です。2-cで見た、ものの名前が入る箱の1つに、名前がつきました。目的語です。

「〜すること」の -ing と to+動詞は、2-cで扱っています。
▶︎動詞の顔をした偽物|-ingとto-の正体【グラムとえいご!2-c】

まとめ|目的語は「誰を?何を?」で見つかる

今回は、動きが向かう先を見ました。ポイントは3つです。

・動きが向かう先は、動詞の意味で「誰を?何を?」と聞いたときの答え。正式な名前は「目的語」で、目印は O
・ふつうの文では、目的語は動詞のすぐ後ろ。日本語訳の「が」「に」に引っ張られない
・動詞の後ろのことばが、いつも目的語とは限らない(be動詞の後ろの相棒、there構文の主語)。目的語をとらない動詞もある

主語は「誰が?何が?」、目的語は「誰を?何を?」。これで、5つの箱のうち S・V・O の3つに名前がつきました。

最後にひとつ。今回は、目的語が1つの文を見ました。ところが、動詞によっては、目的語が2つ並ぶ文があります。


グラム

では、ミニ練習問題に行ってみましょう。

どの問題も、主語・動詞・目的語に印をつけてください。目的語がない文もあります。

① 意味を答えてください。
My grandfather grows tomatoes.

② 並べ替えて英文を作り、意味を答えてください。
a / letter / wrote / my aunt

③ 2つの文のうち、目的語があるのはどちらですか。どちらも意味を答えてください。
(a) Yuki is a singer.
(b) Yuki met a singer.

① My grandfather grows tomatoes.(祖父はトマトを育てている)
主語:My grandfather。動詞:grows。目的語:tomatoes(動詞のすぐ後ろ)。「何を育てているの?」の答えです。

② My aunt wrote a letter.(おばは手紙を書いた)
主語:My aunt。動詞:wrote。目的語:a letter(動詞のすぐ後ろ)。a letter まで、まとめて1つの目的語です。

③ 目的語があるのは (b)。
(a) Yuki is a singer.(ユキは歌手だ)主語:Yuki。動詞:is。a singer は「=でつながる相棒」で、目的語ではありません。
(b) Yuki met a singer.(ユキは歌手に会った)主語:Yuki。動詞:met。目的語:a singer(動詞のすぐ後ろ)。訳は「歌手に」でも、会う動きが向かう先です。


④段の1本目で、O の箱にも名前がつきました。今、どこまで来たのかを地図で見てみましょう。

グラムとえいご!入門編の旅の地図。5つの箱に名前がついていく旅で、現在地は④目的語感覚(4-a)。①語順感覚、②動詞感覚、③主語感覚は通過済み。S(主語)・V(動詞)・O(目的語)に名前がつき、C・Mはこの先で名前がつく。⑤つなぎ感覚、⑥広がり感覚、⑦種明かしはこの先。

全18話の地図は、こちらで確かめられます。
▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】

グラミー

Tobey English!


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