なぜ英語は「順番」がすべてなのか|英文を作る5つの箱で、迷わず読む【グラムとえいご!1-c】

「入門編:グラムとえいご!」のロゴが上部に入った、草原の一本道のイラスト。  ①と書かれたオレンジの看板、遠くに立つ小さな旗、右下に大きなコンパスが描かれている。  グラムとえいご!入門編①のスタート地点を表す。

前回は、日本語と同じノリで語順を混ぜると、英語は「文」ですら壊れてしまうことを見ました。ただし、1つだけ、先頭に動かしても平気な言葉がありました。in the park です。

今回は、この「動かしていい場所」の正体と、英文を作っている5つの部品の姿を、まとめて見ていきます。5つの箱には、それぞれS・V・O・C・Mという印がついています。①語順感覚の、しめくくりの回です。

グラムとえいご!全18話①〜⑧の旅
今はここ!1-c
①
語順感覚
②
動詞感覚
③
主語感覚
④
目的語感覚
⑤
補語感覚
⑥
修飾感覚
⑦
つなぎ感覚
⑧
種明かし
✦ このブログでわかること
・ in the park だけが、先頭に動けた理由
・ 英文が「5つの箱」でできているという全体像と、S・V・O・C・Mという印
・ 5つの箱の並び方がわかると、戻り読みが要らなくなる理由
・ ②からの旅で、印のついた箱を1つずつ探しにいくこと
目次

in the park、結局なんで動けたの?|グラムとトビー、3回目のツッコミ

前回トビーとグラムが議論した、The boy kicked the ball in the park.についての話が続いています。

トビー

前回、in the park だけ先頭に動けたよね。あれ、結局なんで?

グラム

「次回いよいよ明かします」って書きましたよね。

トビー

書いたのは……トビーです。

グラム

書いた本人が、いちばん忘れてます。

トビー

言い得て妙。

グラム

前回、前々回の記事でも、英文を作る「5つの箱」って書いてましたけど、その説明も出てきてません。

トビー

伏線は寝かしてナンボですから。

グラム

じゃあ今日は、寝かせた5つを全部起こします。

トビー

グラムのそのドヤ顔、大好きです。で、名前は?

グラム

印だけ、先に見せますね。文法の名前は、次の回から1つずつです。

前回の実験は、こちらで詳しく扱っています。まだの方は、先にこちらからどうぞ。
▶︎同じ内容なのに、通じない|英語の語順を”日本語ノリ”で並べ替えると、文が壊れる【グラムとえいご!1-b】

英語は「置き場」で役割を決めている|名札がなくても、立つ場所で伝わる

前回の1-bで、英語には名札の代わりに「置き場」があることを見ました。「が」「を」のような名札がなくても、決まった置き場に立っているだけで、その言葉の役割が伝わる仕組みです。だから置き場を勝手に動かすと、意味が逆転したり、文そのものが壊れたりしました。

ここで1つ、呼び方を変えます。前回は置き場を「する側」「動き」「される側」と呼びました。これからの旅に合わせて、「する側」は動きの持ち主、「される側」は動きが向かう先と呼び直します。「される側」のままだと、あとで出てくる別の話と紛らわしくなるためです。中身は前回と同じです。

では、置き場は全部でいくつあるのでしょうか。

置き場は全部で5つ|英文を作る「5つの箱」

次の文を見てください。

I found the book interesting yesterday.
(私は、その本を、昨日、面白いと感じた)

この文は、次の5つの箱でできています。

I / found / the book / interesting / yesterday

それぞれの箱には、置き場ごとの役割と、目印がついています。

・S|I|動きの持ち主
・V|found|動き
・O|the book|動きが向かう先
・C|interesting|=でつながる相棒
・M|yesterday|飾り

英文は、基本的にこの5種類の箱の組み合わせでできています。長くても複雑でも、結局はどれかの箱に収まる部分の集まりです。

S・V・O・C・Mは、英語の言葉にくっついている名札ではありません。トビーたちが箱を見分けるために、地図に書き込む目印です。何の略なのか、正式な名前は何かは、②から1つずつ明かしていきます。

C の「=でつながる相棒」は、この文だと the book と interesting です。「その本=面白い」と、=でつながっています。

ただし、5つ全部が毎回そろうわけではありません。前回の The boy kicked the ball in the park. は、S・V・O・Mの4つでした。I sang. のように、S と V だけの文もあります。S と V はほぼ必ずいて、残りは動きの種類によって来たり来なかったりする、と覚えてください。

英文を作る5つの箱の図解。I found the book interesting yesterday. という英文を、S(I・動きの持ち主)、V(found・動き)、O(the book・動きが向かう先)、C(interesting・=でつながる相棒)、M(yesterday・飾り)の5つのブロックに分解して示している。下部の注意書きは「5つ全部が毎回そろうわけではありません。SとVは、ほぼ必ずいます」。

動かせるのは「飾り」だけ|in the park の正体

前回の文を、もう一度見てみます。

The boy kicked the ball in the park.

in the park は、5つの箱のうち M(飾り) の箱です。この M は、先頭に動かしても意味が変わりませんでした。

In the park, the boy kicked the ball.

誰が何をしたか、という中身は同じです。今回の例文でも、同じことが起きます。

I found the book interesting yesterday.
Yesterday, I found the book interesting.

つまり、5つの箱のうち、置き場を動かしてよいのは M だけです。これが、前回予告した「動かしていい場所」の正体です。

では、なぜ M だけが動けるのでしょうか。理由は、M は外しても文が成り立つ箱だからです。試しに外してみます。

The boy kicked the ball.(公園という情報は消えますが、文は完結しています)
I found the book interesting.(昨日という情報は消えますが、文は完結しています)

一方、動きの箱(V)を外すとどうなるでしょうか。

The boy the ball in the park.

「男の子と、ボールと、公園……で、何が?」と、文が成り立ちません。S や V のような骨組みの箱は、外せないから、置き場も動かせないのです。

なお、「動かしていい」のは、いつ・どこでを足す飾りです。飾りにもいくつか種類があり、動かせないものもあります。それは⑥で、くわしく見ていきます。

動かせるのは飾りの箱だけであることを示す図解。上段は元の文 I found the book interesting yesterday.(S=I、V=found、O=the book、C=interesting、M=yesterday)。下段は M(yesterday)を先頭に動かした文 Yesterday, I found the book interesting.(意味は同じ)。M のブロックだけアンバーで色づけされ、上段の M から下段の先頭の M へ「引っ越しOK(意味は同じ)」というラベル付きの矢印が引かれている。下部の注意書きは「動かせるのは M だけ。ほかの4つを動かすと、意味が変わるか、文が壊れます」。

この地図があれば、戻り読みしなくなる|②からの旅へ

なぜ、こんな地図がわざわざ必要なのでしょうか。

英文が長くなればなるほど、どの言葉がどの箱に入っているのか、パッと見て分かりにくくなります。すると、読み進めながら「あれ、今のは何の話だっけ」と、何度も前に戻って読み直すことになります。

でも、5つの箱の並び方はでたらめではありません。動きの持ち主の次には、たいてい動きが来ます。動きの次には、動きが向かう先や、=でつながる相棒が来ます。箱の並び方があらかじめ決まっているから、今読んでいる箱の次に、どの箱が来るかをある程度先回りして予測しながら読めるのです。

この「次を予測しながら読む」感覚は、英語の速読にも直結しています。詳しくはこちらでも扱っています。
▶︎英語は速読できるのか?|英検1級ホルダーが教える”予測読み”と快読のコツ

もし、5つの箱の場所を見分けられるようになれば、話は変わります。次に来る箱を予測しながら読めるので、長い文でも迷ったときに戻る必要がなくなり、前から読んだ順番のまま、意味を積み上げていけます。

この「前から読んで、戻らない」読み方は、実は精読の土台そのものでもあります。
▶︎単語は「英語のまま」理解せよ|戻り読みが消え、速読につながる仕組み

つまり、この5つの箱の地図は、単なる知識ではなく、戻り読みをしないで英文を読むための道具そのものです。

そしてここから、②〜⑥の旅が始まります。次回からは、この5つの箱を1つずつ、順番に見つけていきます。まずは、いちばん見つけやすい箱からです。

次回は、「動き」の箱——動詞を探すゲームから始めます。

①〜⑧の旅路を示す図解。左端に「①語順感覚(今ここ)」のアンバーの旗があり、S・V・O・C・Mの5つのバッジが添えられている。そこから一本の道が右へ伸び、②動詞感覚・③主語感覚・④目的語感覚・⑤補語感覚・⑥修飾感覚・⑦つなぎ感覚・⑧種明かしの里程標が等間隔に並び、道の先の山にゴールの旗が立っている。下部の帯には「次に来る箱がわかれば、もう前に戻らなくていい」とある。

まとめ|ミニ練習問題

それでは、今回の章をまとめてみましょう。

・英語は、名札の代わりに「どこに置くか」で言葉の役割を決めている
・英文は、基本的に5つの箱(動きの持ち主・動き・動きが向かう先・=でつながる相棒・飾り)の組み合わせでできている
・5つのうち「飾り」の箱だけは、位置を動かしても意味が変わらない。これが前回予告した「動かしていい場所」の正体
・この5つの箱の地図があれば、次にどの箱が来るか予測でき、長い英文でも戻り読みせずに読める
・次回②からは、この5つの箱を1つずつ、順番に見つけていく旅が始まる

これで、①語順感覚は完結です。次回からは、いよいよ箱の名前を1つずつ見つけていきます。


グラム

では最後に、ミニ練習に行ってみましょう!

①並べ替えて意味を問う問題
次の単語を正しい語順に並べ替え、できた英文の意味を答えよ。
the / made / happy / news / me

②意味が変わるように語順を入れ替える問題
次の英文を、意味が変わるように語順を入れ替えよ。
Gram helps Tobey.

③単語の並べ替え問題
次の単語を並べ替えて、「私は昨日、宿題を終えた」という意味の英文を作れ。
my / finished / I / homework / yesterday

①The news made me happy.(そのニュースは私を幸せにした)
②Tobey helps Gram.(トビーがグラムを助ける)※本来の関係とは逆になる一文
③I finished my homework yesterday.(私は昨日、宿題を終えた)

トビーメソッドの全体像を先に知りたい方は、こちらもどうぞ。
▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】

グラミー

Tobey English!


目次