英文はたった5つの「箱」でできている|グラミーと英語 基礎編・全35話の地図【基礎編ガイダンス】

グラミーと英語 基礎編・全35話の地図|箱の境界が見えてくる、頂を目指す一本道と「ていねいに・一段ずつ・精読へ」の標識が描かれたアイキャッチイラスト

入門編、お疲れさまでした。

①〜⑧まで、なんとなく英文の「感覚」を育ててきたと思います。語順、動詞、主語、目的語、補語、修飾語、つなぎことば——そして⑧で、その全部が1つの地図だったと種明かししました。

ここからは、その地図に、正式な名前をつけていきます。

基礎編とは言え、この内容がきちんと理解できると、TOEIC850点、英検準1級レベルのリーディングに必要なスキルが身につきます。ゆっくり、リラックスして勉強してゆきましょう。

このブログでわかること
・ 「英語が読めない」の正体を、もう一段階、具体的な言葉で定義し直すこと
・ S・V・O・C・Mという5つの「箱」の全体像と、箱の「境界の見えやすさ」という新しい物差し
・ 柱1(要素の確定)→柱2(要素の接続)→柱3(要素の復元)という、この先35本の地図
・ 基礎編の例文が「単語はやさしいのに読みにくい」設計になっている理由
目次

英文は、たった5つの「箱」でできている

まずは、トビー自身の話から始めさせてください。

昔、”run” という単語を見た瞬間、脊髄反射で「動詞だ」と決め打ちして、思いっきり誤読したことがあります。実際には “a run of bad luck”(不運の連続)のように、名詞として使われている文でした。単語自体は知っていたのに、その文の中でどんな役割を担っているかを確認せずに読んでしまった。

これ、実は入門編の①〜⑦でやってきたことと、根っこはまったく同じです。

英文の要素は、S(主語)・V(動詞)・O(目的語)・C(補語)・M(修飾語)という、5つの「箱」しかありません。どんなに長く複雑に見える英文も、この5つの箱の組み合わせでできています。

箱があることと、箱が「見える」ことは別問題

ただし、ここで1つ、正直に告白しておきたいことがあります。

「5つの箱でできている」と知っただけでは、実は英文はまだ読めません。これが、いくら基礎文法だけやっても英文が読めるようにならない理由の一つです。

本当に必要なのは、その箱の境界(どこからどこまでが1つの箱か)が、パッと見えるかどうか。境界には、実は3段階の”見えやすさ”があります。

① くっきり見えている箱(そのまま読める)
② ぼやけている箱(どこまでが1つの要素か、一瞬迷う)
③ 意図的に隠されている箱(省略・倒置・挿入で、姿を消している)

英語学習者を悩ます関係詞も、to不定詞も、分詞構文も、挿入も、倒置も、省略も——英語学習者が「また新しい文法カテゴリだ」と身構えがちなものは、すべてこの①〜③のどこかに属する、箱の見え方の違いにすぎません

これが、トビーメソッドが他の文法書と一線を画す核心です。「文法用語を覚える」のではなく、「箱の境界がどれくらい見えているかを見抜いて読む」。それだけでいいんです。

入門編で身につけた「読み方の順番」の正体は、これでした。

なぜ読める文と読めない文があるのか|精読の背骨「3本柱」

箱があることはわかりました。境界の見えやすさに3段階あることもわかりました。でも、まだ語っていないことがあります。

なぜ、ある英文はスラスラ読めて、ある英文はいつまでも戻り読みしてしまうのか。

答えはシンプルです。さっきの①〜③、箱の境界の見えやすさが、そのまま英文の難易度になっているからです。

この基礎編では、その「箱の境界を見抜く力」を、①〜③に対応する3つの柱に分けて、順番に鍛えていきます。

ラベル やること
柱1 要素の確定 見えている箱を1つずつ確実に見つける(品詞→動詞→主語→目的語→補語)
柱2 要素の接続 ぼやけている箱の境界を、つなげて確定する(節も箱の中に丸ごと収まると気づく)
柱3 要素の復元 隠されている箱を元に戻す(意図的に操作された要素を復元する)

柱1|要素の確定のイメージ

They found the results interesting.

found のうしろに「目的語+補語」という2つの箱が並んでいる、と見抜ければ余裕です。でも咄嗟に “the results” だけを目的語と勘違いすると、意味がズレます。まずはこの「見えている箱を、見えている通りに確定する」精度から鍛えます。

柱1|要素の確定のイメージ図|英文"They found the results interesting."をS(主語)They・V(動詞)found・O(目的語)the results・C(補語)interestingの4つの箱に分解した解説インフォグラフィック

柱2|要素の接続のイメージ

The book she recommended last week changed my perspective.

文全体の主語の箱(The book … last week)の中に、実はもう1つ別の文(she recommended last week)がまるごと収まっている、と気づけるかどうか。この箱が、先行詞The bookに接続されていることに気づける力を養います。

柱2|要素の接続のイメージ図|英文"The book she recommended last week changed my perspective."の主語ブロック内に、先行詞The bookと後置修飾節she recommended last weekが入れ子構造で収まっている様子を示す解説インフォグラフィック

柱3|要素の復元のイメージ

She can speak French, and he Spanish.

後半の “he” のうしろにある動詞の箱が、姿を消しています。前半と同じ “can speak” が省略されている、と復元できて初めて意味が通ります。これが、意図的に隠された境界を見抜く力です。

柱3|要素の復元のイメージ図|英文"She can speak French, and he Spanish."の後半節で省略された動詞can speakを、前半節と対比させて点線ブロックで復元する解説インフォグラフィック

大事なのは、この3本柱がバラバラの3分類ではなく、柱1の上に柱2が、柱2の上に柱3が積み上がっていく一体の構造だということです。柱1が完璧に見えていないと、柱2の判断がブレます。柱2が曖昧なままだと、柱3の「隠れた境界」を復元する土台がありません。

つまり精読力を鍛えるとは、柱1→柱2→柱3の順に、一段ずつ積み上げていくことです。

入門編の⑦「つなぎことば感覚」を覚えていますか。and・but・or——あれは実は、この先の応用編で扱う「骨格抽出」に直結する伏線でした。①〜⑧で育てた感覚は、ここで無駄になるどころか、これから全部使います。

基礎編・全35本の地図|柱1→柱2→柱3で積み上げるロードマップ

基礎編は、この3本柱に沿って、全35本+このガイダンスの構成で進みます。

本数目安
柱1|要素の確定 21本
柱2|要素の接続 10本
柱3|要素の復元 6本

いきなり全部を覚える必要はありません。柱1から順番に、1つずつ「見つける目」を積み上げていくだけです。途中でつまずいても、前の回に戻って確認すれば必ず追いつけます。

ちなみに、この基礎編は「精読1.0」——意識的に一段ずつ確認しながら読む段階にあたります。柱1〜3を体で覚えたあと、応用編で目指すのは、それが無意識化・自動化される「精読2.0」(構文が瞬時に見える直読直解)です。今どのあたりにいるかは、トビーメソッド全体の診断ページでも確認できます。

グラミーと英語 基礎編・全35本のロードマップ|柱1(要素の確定21本)→柱2(要素の接続10本)→柱3(要素の復元6本)と山の頂へ積み上がる階段状インフォグラフィック

▶︎トビーメソッドとは?|SVOCM「箱」原則で読み解く精読メソッド

基礎編の例文はなぜ読みにくい?|「単語はやさしいのに読めない」設計の理由

もう1つ、基礎編を始める前に知っておいてほしいことがあります。

これから出てくる例文には、ちょっとしたクセがあります。単語はやさしいのに、読みにくい——そんな文が続きます。

たとえばこんな文です。

The girl the dog bit ran home crying.

単語はどれも中学レベル。なのに、パッと読んで意味が入ってきた人は少ないはずです。これはわざとです。単語につまずかせず、「箱の見分け方」そのものに集中してもらうための設計です。

そのぶん、一度読んだら忘れられないくらい印象に残る文にしていくつもりです。単語帳的な暗記ではなく、「あの変な文、あの箱の話だったな」と記憶に刺さる例文を、これから35本かけて用意していきます。

まとめ|さあ、柱1から積み上げていきましょう

では、まとめますよ。

・英文の要素は、S・V・O・C・Mという5つの「箱」だけ
・箱の境界には「見えている/ぼやけている/隠されている」の3段階があり、これがそのまま英文の難易度になる
・この3段階を、柱1(確定)→柱2(接続)→柱3(復元)の順に、35本かけて掘り下げる
・柱1が土台になり、柱2、柱3へと積み上がる一体の構造になっている
・例文はやさしい単語×読みにくい構造で、構文力そのものを鍛える設計

入門編で身につけた「順番」の正体に、ようやく正式な名前がつきました。

ここから先は、英検1級・TOEIC900、そしてCNNのニュースがそのまま読める自分に向かって、同じ土俵の上を一段ずつ登っていくだけです。

さっそく、柱1の最初の記事から始めましょう。

※近日中に記事公開予定です。乞うご期待!

▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】

グラミー

Tobey English!


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