CNNはなぜ難しい?|「読めない理由」英検1級ホルダーが徹底検証

デスクでパソコンに向かい頭を抱えるレゴの人物、英文ニュースに苦戦するイメージ

今日も、沼る。CNNに。でも止まらない、CNN愛。


……うすうす気が付いてました。

TOEIC900超え、英検1級を取っても、英文ニュースサイトはそんなに簡単には読めるようにならないという事実に。

日本語で書かれている日経新聞の記事すらままならないのに、いわんやCNNをや。

読めない悔しさ、もどかしさ。トビーは毎日、枕を涙で濡らしていました。

確かにそう——CNNはえぐい。

1文がやたら長くて、最後まで行き着く頃には脳内メモリがリセットされてる。
おまけに固有名詞や見たこともない表現がわんさか。そりゃ、ノンネイティブが読むにはキツいはずです。

でも、ある時ふと思ったんです。
なぜ、CNNはそんなに難しいのか?その本当の理由は何なのか?そして、攻略法はあるのか?

早速、連日連夜グラミーとあーだこーだ議論して、記事にしてみました(笑)

CNNにチャレンジして沼っている人。これから始めたいけど、マウスをクリックするのを躊躇っている人。

そんな人の力になれれば幸いです。

このブログでわかること
・ CNNが「構文」ではなく別のところでつまずかせている、という検証結果
・ 知ってる単語なのに読めない、語彙の”使われ方”の罠
・ 「文がどこで終わるか」を見抜くCNN特有の構文パターン
・ 構文が解けても内容が入ってこない、”読解の壁”の正体
・ CNNを本当に読めるようになるための、精読×多読の対策
目次

CNNの難しさの正体:実は「構文」じゃなかった

正直に告白します。

トビー、精読には多少の自信があったんです。TOEIC900超え、英検1級も取った。構文で殴り倒してきた自負がありました。

でも、CNNだけは、なんか違う。

読み終わった後に「あれ、今の文、結局何が言いたかったんだっけ?」ってなる。単語は知ってる。文法もわかる。なのに、スッと頭に入ってこない。

……もしかして、英検1級って、飾りだったのか?

というわけで今回、そのモヤモヤを晴らすべく、グラミーと一緒にCNNの英文を英検・TOEICの英文と並べて、ガチで比較してみることにしました。

やったことはシンプルです。それぞれの英文を1文ずつ、

・構造がどれくらい複雑か
・情報がどれくらい重なって出てくるか
・読みながらどれだけの要素を”保留”しておかなきゃいけないか
・文の長さや動詞の数

といった、複数の切り口から機械的にチェックしていきました。感覚じゃなく、できるだけ客観的に数えてみた、という感じです。

グラミー

実際に数えてみると、面白い結果になりましたよ。CNNは「倒置」や「強調構文」みたいな“構造的な仕掛け”の登場回数では、実は3ジャンルの中で一番多かったんです。

でも——。

一文の中で同時に抱えておかなきゃいけない情報の数(読みながら「まだ正体がわからない要素」をいくつ抱えるか)は、むしろ低め。

これ、ちょっと意外じゃないですか?

トビー

つまりこういうことです。CNNは「仕掛けは多いけど、一度に背負わされる荷物は意外と軽い」。だから、構文の”型”さえ知っていれば、実はそこまで怖くない。むしろ怖いのは、構文じゃない別のところにあった——これが今回の一番の発見でした。

じゃあ、その”構文じゃない部分”って一体何なのか?
次の章から、じっくり見ていきましょう。

構文の壁をどう乗り越えるかについては、こちらでも詳しく書いています。
▶︎精読の壁って何?|英語力が頭打ちになる理由と突破法

語彙編:知ってる単語なのに、なぜかつまずく理由

さて、ここからが本題です。
構文じゃないとしたら、何がCNNを難しくしているのか。

まず疑うべきは「語彙」です。ただし、これ、ちょっと意味が違います。
「知らない単語が多い」んじゃないんです。「知ってるはずの単語なのに、読めない」んです。

グラミー

ここ、地味に重要なポイントです。英検1級レベルの語彙力があっても、CNNで詰まる理由はだいたいこれです。

単語自体の難易度は、実はそこまで高くない

まず前提として、CNNの単語は、英検1級のようなガチガチの難単語(dismissalみたいな低頻度語)とは、種類が違います。

英検1級の難語 CNNの”読めない語”
dismissal(解雇)など surface, flame, road など
単語自体の難易度 高い(知らないと詰む) 低い(中学レベルも多い)
つまずくポイント 語彙知識そのものが不足 使われ方が予想外

つまり、CNNの語彙の壁は「単語帳を増やせば解決する」タイプの壁ではないんです。

原因①:比喩的・抽象的な使われ方(知ってる単語の”裏の顔”)

同じ単語でも、日常的な意味とは違う比喩的な使われ方をされると、途端に読めなくなります。

例えば “surface” 。
「表面」という名詞のイメージが強いですが、CNNでは「(問題などが)表面化する」という動詞として、しかもかなり比喩的に使われることがあります。

トビー

これ、トビーも実際にやらかしました。”surface”を名詞としてしかしらない。だから、意味が全然つながらなくて頭を抱えたんです(笑)辞書的な意味は知ってるのに、使われ方でつまずく——これがCNN語彙の一番のクセです。

原因②:日本語に対応する訳語がない定型句

CNNには、逐語訳では意味が立ち上がらない口語寄りの定型句もよく出てきます。

表現 直訳するとおかしい理由
to and from 「〜へ、そして〜から」と直訳しても不自然。「行き来する」という一つの動きとして丸ごと理解する必要がある

例文:
Commuters travel to and from the city center every day.
(通勤者たちは、毎日都心へ行き来している。)

こういう表現は、日本語に置き換えようとせず、英語のまま「イメージ」で理解するクセをつけるしかありません。

原因③:生の英語ならではの”摩擦”

教材の英文と違い、CNNは生の記事です。
ネイティブが実際に書いた文章特有の、細かい摩擦(教材では見かけない前置詞の重なりなど)が混ざっていることもあります。頻度は高くありませんが、「あれ、これ文法的にどうなってるの?」と一瞬止まる原因の一つです。

例文:
The negotiations over about the trade deal dragged on for months.
(貿易協定をめぐる交渉は、何カ月も長引いた。)

→ “over”と”about”が両方「〜について」の意味で重なっている、単純な書き損じ例。CNNにも誤字は結構あります(笑)

まとめ:語彙の壁は3層構造だった

単語帳をどれだけ極めても、この壁は越えられません。ここまでの3つの原因を、いったん整理しておきます。

内容
① 比喩・抽象化 知ってる単語が、比喩的な意味で使われる
② 訳語不在の定型句 日本語に頼らず英語のまま理解が必要
③ 生英語特有の摩擦 教材にはない、実文ならではのクセ

単語帳をどれだけ極めても、この壁は越えられません。
必要なのは「単語の意味」ではなく「単語の”使われ方”の引き出し」を増やすこと。

このあたりの感覚は、以前も書いたことがあります。
▶︎単語帳は”出会いの場”にすぎない|1万語を定着させたトビーが教える、英検1級・TOEIC900で語彙が”使える”に変わる瞬間

文法・構文編:CNN特有の”型”を見抜く実践パターン

さて、ここからは構文編です。

CNNの英文が長く見えるのは、実は「難しい文法」を使っているからではなく、いくつかの決まった”型”を組み合わせて情報を詰め込んでいるだけです。型さえ知っていれば、長い文でも怖くありません。今回は、特に頻出する4つの型を紹介します。

グラミー

この4つ、CNNだけでなくBBCや英字新聞全般にも使われる汎用パターンです。覚えておいて損はありません。

型①:カンマ+分詞構文の連鎖(V-ing, V-ing…)

コンマの後にing形が来たら「主節はもう終わり、ここからは付帯情報」と機械的に判断してOKです。

The company announced new policies, aiming to cut costs, hoping to boost profits next year.
(その企業は新方針を発表し、コスト削減を狙い、来年の増益を期待している。)

主節は “The company announced new policies” だけ。あとの “aiming〜” “hoping〜” は、どちらも同時進行の補足情報です。

型②:with + O + C(付帯状況のwith)

〜の状態で」と機械的に補って読みます。beingが省略されているだけなので、名詞の直後にいきなり形容詞や分詞が来ても驚かないこと。

He gave the speech, with his hands shaking and his voice cracking.
(彼は、手を震わせ、声を裏返らせながらスピーチをした。)

型③:名詞+過去分詞句(後置修飾)

関係代名詞+be動詞が省略された形です。名詞の直後に過去分詞が来たら「関係詞節が圧縮されている」と補います。

The report, published last week, revealed several safety concerns.
(先週発表されたその報告書は、いくつかの安全上の懸念を明らかにした。)

「The report (which was) published last week」の(which was)が省略されている、と考えると読みやすくなります。

型④:SVOCの落とし穴(false completeness)

make / consider / call / find など、第5文型(O+C)を取れる動詞は要注意です。Oが関係代名詞化されて見えなくなると、Cだけが残って「一見完璧な文」に見える罠が生じます。

The policy he described as effective turned out to be a failure.
(彼が効果的だと評した政策は、実は失敗だったと判明した)

“described as effective” の目的語(the policy)が関係代名詞で前に移動しているため、”as effective” だけが残って一見すると浮いて見えます。第5文型を取りうる動詞のクセを知っていれば防げます。


見抜き方
① 分詞構文の連鎖 コンマ+ing形=主節終了の合図
② with+O+C withの後は「〜の状態で」と補う
③ 名詞+過去分詞 関係詞+be動詞の省略と気づく
④ SVOCの落とし穴 第5文型動詞のOが消えていないか疑う
トビー

この4つ、最初は「うわ、めんどくさ」と思うかもしれません。でも一度パターンとして頭に入れてしまえば、初見の記事でも「あ、これは型③だ」と機械的に処理できるようになります。単語を1個ずつ調べるより、よっぽど効率的です。

実際のCNN記事を使って、これらの型を1文ずつ分解していく実践編はこちらにまとめています。
▶︎CNNはゴリゴリの精読ツールだった件|読解力が爆上がりする使い方

読解の壁編:構文は解けても、内容が入ってこない理由

さて、ここまで語彙と構文を見てきました。でも、実はこの2つをクリアしても、まだCNNが「入ってこない」ことがあります。

パースはできるのに、意味が入ってこない現象

まず、こんな文を見てください。

While the deal was framed as a compromise, few believed it would hold.
(その合意は妥協案として位置づけられていたが、それが持続すると信じる者はほとんどいなかった。)

単語も文法も難しくありません。whileの節も、主節も、構造自体はスラスラ読めます。

でも——「なぜここでwhileを使って対比しているのか」「“framed as”にどんなニュアンスが込められているのか」まで踏み込まないと、「読めた」が「わかった」にならないんです。

記者の”距離感”を読み取れているか

CNNの記事には、記者がまだ事実として断定していないことを示すサインがあります。代表的なのが “alleged” です。

He now faces an “alleged violation” of federal law.
(彼は現在、連邦法の「違反容疑」に直面している。)

alleged“はもともと「〜とされる」「疑惑の」という、法律的にもまだ確定していないことを示す語です。それだけでも十分に慎重な表現なのに、ここにさらに引用符が重ねられている。つまり、二重に「これはまだ事実と確定していません」と念押ししているわけです。

こういうサインに気づかず、地の文と同じ重みで読んでしまうと、記事の”本音”と”建前”の境界が見えなくなります。

背景知識・文化的比喩の壁

もう一つの壁が、文化的な比喩表現です。

The proposal was seen as a Hail Mary attempt to save the campaign.
(その提案は、選挙戦を救うための一か八かの賭けと見なされた。)

Hail Mary“は、アメリカンフットボール由来の表現で、「土壇場で一発逆転を狙う捨て身のパス」を指します。単語自体は簡単なのに、この文化的背景を知らないと、なぜここでこの表現が使われているのかピンときません。

こうした比喩は辞書を引いても出てこないことが多く、こればかりは日頃からの接触量がものを言います。

トビー

語彙・構文をクリアしても、この”前提知識”の壁だけは一朝一夕にはいきません。地道に量をこなして、引き出しを増やしていくしかないんですよね。

多読を通じて背景知識を蓄積していく具体的な方法は、こちらにまとめています。
▶︎英文多読、なに読めばいい?|精読マスター後に使える”英文ニュースサイト”活用術

まとめ:CNNの壁は「知らない構文」じゃなかった

カフェで英文記事を集中して読み込む女性、精読に取り組む様子

ここまで見てきたことを整理すると、CNNの難しさはこの3層でした。

正体
語彙 知ってる単語の”使われ方”でつまずく
構文 “型”を知らないだけで、複雑さ自体は限定的
読解 記者の距離感・背景知識という”前提”の壁

構文が取れないから読めないのではなく、

「知らない語の使われ方」
「知らない型」
「知らない話題や前提」

につまずいているだけ。つまり、CNNの壁は文法書を1冊やり込んでも越えられない種類の壁だったんです。

対策はシンプルです。型は精読でストックし、前提知識と語の使われ方は多読で増やしていく。この両輪を回し続けることが、結局は一番の近道でした。

低地・高地を使い分けたトレーニング法についても、こちらで詳しく書いています。
▶︎難しい英文を読むと読解力は上がるのか?|英検1級ホルダーが教える「低地トレーニング」のススメ

CNNにチャレンジして沼っている人。これから始めたいけど、マウスをクリックするのを躊躇っている人。大丈夫です。壁の正体さえわかれば、あとは一つずつ潰していくだけ。

また一緒に、ゴリゴリ分解していきましょう。

グラミー

Tobey English!


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