前回の4-aでは、目的語が1つの文を見てきました。そして最後に、「ところが、動詞によっては、目的語が2つ並ぶ文があります。」と予告しました。今回は、④目的語感覚の、しめくくりの回です。
見ていくのは、give のように、誰かに何かを届ける動きを表す動詞。動詞の後ろに、目的語が2つ並びます。探すときの問いかけは、4-aの「誰を?何を?」から、「誰に?何を?」に変わります。
Gram gave Tobey a book. の目的語はどれ?|「本を」だけが目的語、と思っていませんか?
グラムトビーさん、前回の最後の予告です。目的語が2つ並ぶ文がある、って言いましたよね。



言ってたね。グラムは例文つくれる?



はい。では、この文です。Gram gave Tobey a book.「グラムはトビーに本をあげた」。目的語は、どれですか?



目的語は「〜を」のことばだから、a book だね。



じゃあ、Tobey は何ですか?



……「に」がついてるから、飾り?



4-aで言いましたよね。日本語の助詞では決めない。動詞の意味で聞くんです。



give は「誰かに、何かをあげる」動き。あげた相手は Tobey。あげたものは a book。



そうです。「誰に?」も「何を?」も、動きが向かう先。目的語が2つ並んでいます。



なるほど、予告のとおりだね。ありがとう。で、グラムはトビーにどんな本をあげたの?



Norman Davies著「EUROPE」です。



……聖書より分厚くて、トビーがリアル挫折したやつやん。
英語で目的語が2つある文の見つけ方|動詞の意味で「誰に?何を?」と聞く
トビーが引っかかったのは、日本語の訳の助詞でした。
グラムの文を日本語にすると、「グラムはトビーに本をあげた」。「本を」には「を」がつき、「トビーに」には「に」がつきます。助詞がちがうので、片方だけが目的語に見えてしまいます。
でも、見つけ方は4-aと同じです。訳の「を」や「に」ではなく、動詞の意味で聞きます。
【見つけ方】
① 3-a・3-bの手順で、主語と動詞を見つける。
② 動詞の意味で「誰に?何を?」と聞く。give は、誰かに何かをあげる動きです。
③ 動詞の後ろで、その答えを探す。ふつうの文では、2つの答えが動詞のすぐ後ろに並びます。
Gram gave Tobey a book. を例にして見てみましょう。
主語は Gram、動詞は gave。「誰に?」の答えは Tobey、「何を?」の答えは a book です。どちらも動きが向かう先なので、目的語は2つあります。
一方、Gram opened a book. で聞けるのは「何を?」だけ。open のように、答えが1つで足りる動詞もあります。


前回の4-aでは、目的語が1つの文の見つけ方を見ました。
▶︎動詞の相手はどこにいる?|目的語ってどれ?【グラムとえいご!4-a】
give の仲間の動詞は?|目的語が2つ並ぶ順番は「誰に」が先、「何を」があと
目的語が2つ並ぶ文を、もう少し見てみましょう。
Mika showed Ken a photo.
Ken sent Mika a postcard.
The teacher told the students a story.
My father bought the children ice cream.
どれも、動詞の後ろに「誰に?」の答え、そのあとに「何を?」の答えが並んでいます。動詞の意味も、「見せる」「送る」「話す」「買ってあげる」と、誰かに何かを届ける動きです。give の仲間ですね。


目的語が長くなっても2つのまま|どこまでが「誰に」で、どこからが「何を」か
目的語は、ことばが長くなっても、2つのままです。
Our teacher gave the students a lot of homework.
(私たちの先生は、生徒たちに宿題をたくさん出した)
見つけ方は、短い文のときと同じです。動詞 gave の後ろを、左から順に読みます。
【読み方】
① 動詞は gave。意味は、誰かに何かを届ける動きです。
② 「誰に?」と聞く。答えは the students。ここまでが、1つめの目的語です。
③ 残りが「何を?」の答え。a lot of homework が、2つめの目的語です。
the students は2語、a lot of homework は4語です。でも、どちらも「動きが向かう先」を1つのかたまりで答えているので、数えるときは1つ。目的語の数は、語の数では決まりません。
迷ったら、長いかたまりを短いことばに置き換えてみます。
Our teacher gave Ken homework.
文の形は、変わっていません。gave の後ろに、「誰に?」の答えと「何を?」の答えが1つずつ並んでいます。
ことばが長くなっても、目的語の箱は2つのまま。増えるのは中身の長さで、箱の数ではありません。
目的語が2つに見えて、実は1つの文|2つめが「=」でつながるとき
動詞の後ろにことばが2つ並んでいても、目的語が2つとは限りません。次の2文を比べてみます。
(a) Gram gave Tobey a book.
(b) The story made Ken sad.
どちらも、動詞の後ろに2つのことばが並んでいます。見分けるときは、2つめが1つめと「=」でつながるかを確かめます。
(b) では、Ken is sad.(ケンは悲しい)という関係が成り立ちます。1つめの Ken と2つめの sad が「=」でつながっているので、sad は目的語ではなく、「=でつながる相棒」です。目的語は Ken だけです。1-cで見た I found the book interesting. も、同じ形でした。
(a) では、「Tobey は a book」とは言えません。「=」でつながらないので、2つとも目的語です。


1-cでは、この形を、5つの箱の並びの中で見ました。
▶︎なぜ英語は「順番」がすべてなのか|英文を作る5つの箱で、迷わず読む【グラムとえいご!1-c】
まとめ|目的語が2つ並ぶ文は「誰に?何を?」で見つかる
今回は、目的語が2つ並ぶ文を見ました。ポイントは3つです。
・ give のように、誰かに何かを届ける動きの動詞では、動詞の後ろに目的語が2つ並ぶ。探す問いかけは「誰に?何を?」。
・ 並ぶ順番は、ふつう「誰に」が先、「何を」があと。日本語訳の「に」「を」ではなく、動詞の意味で聞く。
・ 動詞の後ろに2つ並んでいても、2つめが1つめと「=」でつながるときは、目的語は1つだけ。
4-aでは目的語が1つの文を、4-bでは2つ並ぶ文を見ました。主語は「誰が?何が?」、目的語は「誰を?何を?」、または「誰に?何を?」。5つの箱のうち、S・V・Oの3つに名前がそろいました。これで、④段の旅はひと区切りです。
最後にひとつ。今回は、動詞の後ろに並ぶ目的語を見ました。ところが、動詞の後ろに来ていても、動きが向かう先ではなく、主語と「=」でつながることばがあります。



では、ミニ練習問題に行ってみましょう。
① 印をつけて、意味を答えてください。
My uncle sent Yuki a postcard.
② 並べ替えて、英文を作ってください。
a toy / my grandmother / the baby / gave
③ 2つの文のうち、目的語が2つあるのはどちらですか。
(a) The movie made Yuki happy.
(b) The man showed Yuki the way.
① 主語:My uncle。動詞:sent。目的語:Yuki(誰に?)と a postcard(何を?)の2つ。動詞のすぐ後ろに並んでいます。
意味:「おじはユキにはがきを送りました。」
② My grandmother gave the baby a toy.
主語:My grandmother。動詞:gave。目的語:the baby(誰に?)と a toy(何を?)の2つ。「誰に」が先、「何を」があとです。
意味:「祖母は赤ちゃんにおもちゃをあげました。」
③ 目的語が2つあるのは (b) です。
(a) 主語:The movie。動詞:made。目的語:Yuki だけ。Yuki is happy. とつながるので、happy は「=でつながる相棒」です。
(b) 主語:The man。動詞:showed。目的語:Yuki(誰に?)と the way(何を?)の2つ。
全18話の地図は、こちらで確かめられます。
▶︎「英語が読めない」の正体、教えます|グラムとえいご!全18話の地図【入門編ガイダンス】
Tobey English!






