「その英文、ほんとに読めてる?|TOEIC Part7で“目が滑る”人が知らない読解の真実」

精読トレーニングに集中する男性とノートパソコン TOEIC対策

読んでるのに、内容が残らない——それ、読めてるフリかもしれません。


英語、ちゃんと読めてるつもりなのに——
なぜか内容がスルスルこぼれていく…

「読んだはずなのに頭に残らない」
「設問に戻っても、答えがわからない」
「焦って読むほど、意味が消えていく…!」

それ、トビーが「上滑り現象」と呼んでいる、リーディング界の怪奇現象かもしれません。
特にTOEICのPart7あたりで出没しがち(笑)

TOEIC900点を目指すあなたが、今まさにぶつかっているかもしれない“見えない壁”。
その正体は、精読不足——つまり、英文構造を理解する力の欠如。

この記事では、英語学習で20年迷走したトビーが、
「精読」という地味だけど最強の武器を手にして、
TOEIC915点&英検1級を突破した“精読トレーニング”のすべてを、体験ベースで徹底解説します!

Part7地獄で“目が滑った日”

まずは、トビーが“上滑り現象”を実感した事件を告白しましょう。

それは公式問題集6-1を解いていたときのことでした。

「やばい、時間がない!早く読まなきゃ…」

そう思って焦って読んだ英文は、まるで水のように頭からこぼれ落ちていきました。

文字は見えてる、でも意味が頭に入ってこない(涙)

何を読んだのかも思い出せず、設問にも答えられず、本文を何度も往復するうちにタイムオーバー。

結果、まさかの“15問残し”。トリプルパッセージには指一本届かず撃沈…。

半年以上、公式問題集1〜6を何度も解きまくった結果がコレですよ(涙)

これって多くの方がハマっている沼ではないでしょうか? 復習はちゃんとしている。事実、解き直しでは正当数は上がるし時間も大丈夫。でも新しい問題を解こうとすると同じ現象の繰り返し。

おかげさまでこのことがきっかけで、公式問題集を見るのも触るのも嫌になりました(笑)
ここでいったんTOEICの勉強は中断。これが一体何が悪いのかを徹底的に掘り下げてゆくきっかけに。

TOEIC900はどれくらい大変だったか。気になりますよね? こちらの記事をどうぞ。
→英語力より、心の耐久力。TOEIC900点は“精神修行”だった件

なぜ「読んだのに覚えてない」のか?|上滑り現象の正体

そもそも「上滑り現象」とは何か?

以来、トビーはこの現象を“上滑り現象”と呼んでいます。

・読んでるつもりなのに頭に入らない
・時間がなくて焦るほど、内容が意味不明になる

TOEIC界隈で最大のミステリー(笑)

でもこれ、実はかなりの学習者が経験しています。

原因①:英文の難易度が読解力を超えている

その原因は大きく2つあります。
まず1つ目は、英文の難易度が自分の読解力を超えていること。

単語構文話題の難しさ──いずれかが処理能力をオーバーしていると“上滑り”は起こります。
だから、たとえばTOEIC700点を目指している人が、リーディングパートを進めてゆく上でこの現象が起きてしまうのは仕方がないことなのです。

原因②:読むスピードが速すぎる

そしてもう1つの原因は、読むスピードが速すぎることです。

TOEICでは900点を取るためにはPart7を55分以内に解き切る必要があります。
そのスピードで読めない実力なのに、“無理に速く”読もうとするから、情報がこぼれていく。

つまりこういうことです:

実力以上の速度で、実力以上の難易度の文章を読む=上滑り

TOEICはスコア500点の方も900点の方も同じ問題を解くことになります。
ですので、500点の方にこの現象が起きてしまうのは仕方がないことです。

でも、TOEIC900点を目指すなら——

でもTOEIC900点以上を目指している方、大変残念なお知らせです。

・・・それだとダメですよ(笑)

上述の通りTOEIC900越えを目指す場合、リーディングパートを時間内にほぼ解き切る必要があります。トビーがTOEIC本番受験初回で915点を出した時、リーディングのスコアは420点。時間は3分余って少しだけ見直しする時間がありました。

読解の精度を保ちながら速度も上げる・・・

「それムリっしょ」って言いたくもなりますよね(笑)
でも900点以上を狙うなら、ここを越える必要がある──

そう、「精読力」で!

TOEIC900は大変。じゃあ、実際取ってらどうだったの? ってこと、語ってます。こちらをどうぞ:
→TOEIC900点・英検1級、取ってよかった?|達成後に気づいた「本当の価値」と反省点

精読力が“目の滑り”を止める唯一の方法

トビーが行き着いた結論:

速く読むより、精読で“正しく読む”が先

精読とは、英文をSVOC+M(修飾語)に分解し、構造を“素因数分解”するように読み解く技術です。

最初は時間がかかります。でも、確実に読解力が上がる。

・意味をあいまいにせず、
・構造をロジカルに理解する

そうすることで、読み直しが減る。
読み直しが減ると、読むスピードが上がる。
スピードが上がると、解答時間に余裕ができる。

結果、精度とスピードが両立する──

そう、これが「本当の速読力」です。

TOEIC850点くらい。900点目前で停滞されいる方。
・・・わかります。

そもそもこのレベルの方はかなりの実力をお持ちです。
ですので自分がリーディングが「できていない」とは思わないのです。

ここが落とし穴で、「精読」の重要性に気づくか否か。
そう、

“速く正確に読む”は、精読の先にある!

トビー式:精読マスターで何が起きたか

あの日から、すべてが変わった

あの悪夢の6-1事件から半年──
トビーは精読一択で勉強を再構築しました。

・主な使用教材:大学受験用(ポレポレ英文読解プロセス50、英文読解入門基本はここだ!)
・SVOCを見抜くトレーニング
・修飾関係を見極める練習

すると不思議なことが起きたんです。

  • 公式問題集6-2 → ほぼ時間内に読了
  • 公式問題集7-1 → 初の全問解答達成!

さらに:TOEIC本番 → 初回で915点
その後:英検1級 → 4ヶ月で合格

拍子抜けするほどスムーズでした(笑)

ポレポレとの出会いが人生を変えた

ポレポレに出会ったのは、もうTOEICの勉強に心が折れかけていた頃。

Amazonでたまたま目にした1冊。そもそも名前が変だ(笑)でも評価は高い。
表紙にはゾウの絵が描いてあって、明らかに他の英文法書とは一線を画している。

実際に手に取って見たとき、正直「なんだこの薄っぺらい本で読解力がつくのか?」と疑いました。

でも、やってみてすごく衝撃を受けました。
「えっ、英文ってこんなに構造的に読むものだったの…?」と。

これまで知らなかった“精読”という概念

高校で英語に挫折して依頼、これまで英語の勉強に「精読」というジャンルがあることも知らないで勉強してきました。これが20年の迷走に至るA級戦犯(涙)。

なので、社会人になって英語の学び直しを始めた時も、「単語をたくさん覚えて」「基礎文法をゴリゴリやれば」英文なんて爆速で読めるようになる——そう思っていました。

——そもそも、「構造をちゃんと読む」って、誰にも教わらなかったんですよね。

だから、ポレポレに出てくるような
「SVOCを見抜いて、修飾関係を整理して、構造で読む」というスタイルに触れたとき、
もう、目からウロコが100枚くらい落ちました(笑)

「えっ、英文って、こんなにロジカルに読めたの?」
「感覚じゃなくて、“読解の技術”だったの?」

そう思った瞬間、英文への見え方がガラッと変わりました。

ずっとモヤモヤ理解だった英文が、今ではクッキリハッキリ見える。
トビーはこれを「英文の晴れ渡り」と呼んでいます。
——つまり、意味の霧が晴れ、構造がくっきりと見えてくるあの瞬間のことです。

セイドク? ナニソレ? って方、大丈夫です(笑)。こちらで説明しています:
→20年迷ったトビーが気づいた、“精読”だけが持つ英語のブレイクスルー力

基本はここだ! はポレポレの相棒

それからというもの、トビーの勉強は“ポレポレ一色”になる——
…はずでした。

でも正直、始めてすぐに「これはムリ!」と挫折(笑)
そこで、ポレポレの兄弟本とも言える『英文読解入門基本はここだ!』にシフト。
こちらでSVOCの基礎体力を積むことにしたんです。

ポレポレで挫折する人、多いですよね?
安心してください。トビーなんて、最初は1つもわかりませんでしたから(笑)

というのも、ポレポレでは早稲田大学や慶應大学といった難関校の入試問題の、
さらに読みにくい箇所を例題にしています。できなくて当たり前なんです。

だからこそ、ポレポレに取り組む前に、遠回りに見えて最短ルート
『英文読解入門基本はここだ!』で基礎を固めるのが断然おすすめです。

頭の中で、英文が“構造物”として立ち上がる感覚

続くポレポレ。
最初の頃は、たった1文に30分以上かかることも。
でも、これがめちゃ楽しい。

何より感動したのは、YouTubeで著者・西きょうじ先生の無料講座が見られること。
しかも、そのクオリティが異常に高い。

講義では、たとえばこんなことを学びます:

・「この関係代名詞 which の先行詞はどこか」
・「この and は何と何をつないでいるのか」
・「前置詞+名詞が副詞句として機能し、どの動詞を修飾しているのか」

——こういった構造の把握は、高度な英文を正確に読むために必須のプロセスです。

このスキルが身につけば、英検1級のリーディングパートはもちろん、
CNNやBBCの英文ニュースさえ、構造を掴みながら読めるようになりますよ。

だから、それだけ重要。
ちょっと難しく感じるかもしれませんが、上級レベルに行くためには、絶対にチャレンジする価値があります。

精読なしの速読は「目が滑る」地獄へ直行

速読だけでTOEICが解ける。そう信じていた時期が、トビーにもありました。

「読むスピードさえ上がれば、きっとスコアも上がる!」
そう思い込んで、ひたすら公式問題集を繰り返す毎日。
同時にYouTubeでは、スキミング・スキャニングといった小手先テクニックばかりを追いかけていました。

でも現実は、スコアは横ばい。
英文は“読んだ気”になるのに、頭に何も残らない。

まさに、視線だけが英文の上を滑ってゆく読書感覚。

実は、速読が機能するのは「正しく読める力」が土台にあるときだけ。

認知心理学者のレイナー博士も、「読む速度と理解度は反比例する」と語っています。

——つまり、速く読もうとすればするほど、理解はガクッと落ちるということ。

トビーも昔、背伸びしてCNNの英文記事を毎日読んでいましたが、
覚えていたのは見出しだけ(笑)
精読せずに速読をやるのは、地図を持たずに山登りするようなもの。
最短ルートどころか、遭難まっしぐら。

速読に走りたくなったら、まずやるべきは——
“ゆっくり、正確に読む”練習です。

地味だけど、これが英語学習における最強のブースト。
精読は地味。でも、決して裏切らない。

精読なしの速読はダメ!ゼッタイ!(笑)こちらもどうぞ:
→その「速読法」…騙されてない?TOEIC915点を生んだ“精読力”の正体

今日からできる「精読習慣」3ステップ

まずはとにかく『基本はここだ!』や『ポレポレ』で精読(構文読解)の方法論をマスターしましょう。
その上で、

① 「読めなかった英文」を1つ選ぶ
② SVOC+修飾語で分解する
③ 毎日1文ずつ、正確に読む練習をする

この3ステップは、トビー自身が実践してきた“迷走から脱出するための再スタートの儀式”でもあります。

Step ①「読めなかった英文」を1つだけ選ぶ

まずは、過去に「意味がわからず読み飛ばした英文」や「設問で間違えたパッセージ」から1文だけを抜き出します。
重要なのは「1文でOK」ということ。英文全体を読まなくても、まずは“たった1文”でかまいません。

最初から「長文を精読しよう」と気合を入れると、たいてい続きません。
ポイントは“心理的ハードルを限界まで下げる”ことです。

Step ② SVOC+修飾語で構造を分解

この工程が精読の“心臓部”。英文を文法的に分解して、

主語(S)
動詞(V)
目的語(O)
補語(C)
修飾語(M)

に分類していきます。

修飾語(M)がとくに重要ですよ。関係代名詞・分詞・前置詞句などが、どの語をどのように修飾しているか?を意識しましょう。

例えば:

The man who is sitting next to the window is my uncle.

この文なら:
S:The man
M:who is sitting next to the window(関係詞節)
V:is
C:my uncle

と因数分解できます。

たった1文でも「SVOCM」構造がクリアに見えてくると、“読解の地図”が描けるようになります。

Step ③ 繰り返し読んでパターンを頭に定着

理解したら——ただの黙読で終わらせないのがコツです。
10回、20回と読んで精読した英文を脳に定着させましょう。
その英文があなたの宝物になります。

同じパターンの英文(構文)が他の文章で出てきても、もう怖くはありません。
「あ、このパターンか」とスムーズに読めるようになる。
だからこそ、精読ができると結果として速読にもつながるんです。

実は、TOEICで800点を超えるくらいの英語学習者の頭を悩ませる英文の“型”って、
それほど多くないんです。
そして、この“頻出パターン”を凝縮したのが、あのポレポレ。
実に巧妙に構成されています。

冒頭のはしがきにも、こうあります:
「すべての英文に通じる基本プロセスを順に身につけることによって、
入試英文はほとんどが類題に過ぎないと感じられるようになる

……この一文、すごい。
事実トビーも、ポレポレをマスターしてから
BBCやCNNの記事が読めるようになり、英検1級のリーディングも怖くなくなりました。
全てはポレポレのおかげです。

ポレポレなどで構文読解の方法をマスターしたあとは、
教材は英検でも、TOEIC公式問題集でもOK。
要は——「内容を完全に理解するまで読むこと」。

読めるようになると、読むのが楽しくなります。
そして、目は——もう滑りません。

トビーは精読の壁を超えてダブル目標を達成できました。こちらの記事もどうぞ。
→TOEIC900点はどう超えた?|迷走20年のトビーが初回915点を出せた理由
→英検1級はどう超えた?|迷走20年のトビーが“独学×AI”で突破した戦略

まとめ:読む力は“鍛えられるスキル”です

読解力の壁を越え、ジャンプするシルエットと朝日(または夕日)

TOEICのPart7あたりでよく出没する、あの「上滑り現象」。
もうその正体は分かりましたよね?

それでは、これまでの内容をサクッとまとめますよ。

■上滑り現象の発生するのはーー
 ①英文の難易度が読解力を超えている
 ②:読むスピードが速すぎる

解決策は…
・読解の精度を保ちつつ、スピードも上げるには——精読一択!
・「意味をつかんでから速く読む」=上滑りがなくなる!

読めてるつもり」から抜け出せたら、世界が変わります。

焦らなくて大丈夫。
まずは、今日1文。ゆっくり、丁寧に読んでみましょう。

目の滑りは止まり、新しい英語の世界が、あなたの目に映りはじめるはずです。


このブログを書いた人:トビー
  20年迷走して、ようやく“精読の壁”を超えた人です(笑)

トビー

・TOEIC900・英検1級のトリリンガル(日・英・中)。
・英語学習20年の迷走を経て、「精読の壁」を突破しました。
・今は、英語に悩む方へ、自分の経験から気づきを届けています。

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