TOEICリスニング、なんで聞こえないの?|“置いてけぼり地獄”を救った先読み戦略とは

ヘッドホンで英語を聴きながら笑顔で学習する女性

TOEICリスニング、途中で「追いつかなく」なってませんか?
そんな地球的問題(笑)、じつは「先読み」で解決できるかもしれません。


リスニングは途中で置いていかれる。
リーディングは時間に煽られまくり。

TOEICは、人類にちっとも優しくないテストです(笑)

こんにちは、語学学習迷走歴20年のトビーです。
かつてのトビーも、Part3・4の設問&選択肢を読んでる間に、許可なく次の問題が流れ出しては──詰んでました。

──でもある日、やり方を変えたんです。
「聞く前に読む=先読み」に切り替えたら、スコアがグンと安定。

そのままTOEIC初回受験で目標の900点越えを達成。
リスニングはなんと満点(スコア495)でした!

さらに続いた英検1級、HSK6級(中国語)でも、同じ「先読み」の技術が活きて、どちらも一発合格できました。

この記事では、リスニングで点が取れない理由を“脳の仕組み”から解説しつつ、
トビーが実践してきた「先読み戦略」を全公開します!

【この記事でわかること】

・TOEICリスニングに「先読み」が効果的な理由とは?
・先読みのメリット・デメリットを科学&体験で解説
・トビー式「聞こえる耳」をつくる設問チェック術
・英検やHSKでも使える“聴く前に読む”スキルの応用法

なぜ先読みが効くのか?|TOEICリスニング“置いてけぼり現象”の正体と対策

リスニング満点だったトビーですが、実はすべてを聞き取れていたわけではありません。
TOEICリスニングで大切なのは、「正答を導き出すポイント」を押さえられるかどうかなんです。

リスニングは“音”ではなく“情報処理力”のテスト

TOEICに限らず、語学試験のリスニングでは、「リスニング力」以上の力が求められます。

それはーー
耳で聞いた情報を、瞬時に処理して設問に結びつける“情報処理力”です。

TOEIC Part3やPart4を解いているとき、脳内では次のようなプロセスが同時進行しています。

1. 音声を聞き取り、意味を理解する(リスニング)
2. 設問と選択肢を読み、正確に把握する(読解力)
3. 両者を照らし合わせて、瞬時に答えを導く(情報処理)

この処理が追いつかないと、多くの受験者がハマるあの現象が起こります。

そう、「置いてけぼり現象」です(笑)

選択肢で迷っているうちに、次の問題が流れてきて、脳はパニック。
……誰しもこんな経験していると思います。

先読みとは、脳に“事前学習”させる戦略である

意外に思うかもしれませんが、リスニング力を伸ばすカギは「リーディング力」です。

理由はシンプル。
「読めない英語は、聞き取れない」から。

TOEICの高得点を目指すには、かなりの読解力が必要。
でも、それを積み上げるには時間がかかります。

では、どうすれば短期間でリスニング力を上げられるのか?

その答えが、先読み=事前学習です。

先読みとは、音声が流れる前に設問を読んでおくことで、
「脳の検索対象(キーワード)」を先にセットしておく技術なんです。

たとえば、次のような典型的な問題があります。

【Q 32】What problem is the man experiencing?
(A) He cannot access the online reimbursement form.
(B) He forgot to bring the receipt for a hotel payment.
(C) He is unsure how to calculate the mileage cost.
(D) He missed the deadline to submit his report.

この問題は “What problem” と聞かれているので、
本文では必ず「何らかの問題」が登場します。

ここで設問を先に読んでおけば──
「問題はなんだろう?」と意識しながら音声を聞くことができる。

つまり、「網を張る」状態になるので、聞こえてきた“重要情報”を効率よくピックアップできるんです。

「精読力 × 先読み」こそ、リスニング満点の方程式

これが先読みの重要性。お分かりいただけたでしょうか?

でもですね──現実はそんなに甘くありません(涙)

先ほどの設問と選択肢の合計語数は約40語。
これを10秒で読むと、必要な読書スピードは240 WPM(Words Per Minute)。

これは、ネイティブ並みの速さです。
つまり、先読みにはそれなりの読解スピードと正確さが要求されるんです。

だからこそ、精読力が必要不可欠。

「構造を正確に読み取る力」×「先読みの戦略」=TOEICリスニング満点への鍵なんです。

<strong>グラミー</strong>
グラミー

次章では、「先読みって具体的にどうやるの?」という疑問に答えるべく、そのメリットとデメリット、そして実践ポイントを詳しく掘り下げていきます!

トビーがどうやってTOEIC初回900点超えできたか。こちらからどうぞ。
TOEIC900点はどう超えた?|迷走20年のトビーが初回915点を出せた理由

先読みのメリット・デメリットを徹底比較!

ここまできて、「先読み最強!」とテンション上がってる方、少々お待ちください(笑)
何事も完璧なものはありません。

結論から言うと、先読みは正しく使えば効果は絶大。
ただし、諸刃の剣でもあるんです。

ここでは、トビーの実体験をもとに、先読みのメリットとデメリットを包み隠さずお伝えします!

先読みのメリット|3つの効果でリスニングが楽になる!

① 聞くべき場所が絞れる(=的が明確になる)
・「What problem is 〜?」と事前に分かっていれば、「問題点」にフォーカスして聞ける。
・無駄な情報に振り回されず、脳の処理負荷が軽減されます。

② ストーリーを事前に予測できる(=“聞き流し”が減る)
・問題文や設問にあらかじめ目を通しておくと、「これからどんな話が来るか?」が想像できます。
・心理的な“聞く準備”が整っていれば、「え、今の何だった!?」と置いていかれるリスクも軽減されます。

③ 処理スピードが上がる(=時間ロスが減る)
・「先読み法」では、問題文を聴きながら解答をマークしてゆきます。
・結果として、迷う時間が減り、テンポよく次の問題に進めます。

先読みのデメリット|油断すると“逆効果”にも

① 読解力が必要(=読めないと意味がない)
・10秒で40語を読むには、WPMで換算すると240。
・これはネイティブ並みの読解速度であり、それなりの精読力が求められます。
・読めなければ、先読みしても頭に残りません(涙)

② 聞き逃しのリスク(=“読みすぎ”で本末転倒)
・設問を「読むこと」に集中しすぎると、逆に「聞くこと」が疎かになります。
・「読む」と「聞く」は脳内で同時処理ができないため、ここは要注意ポイント。
・トビーの感覚では、「読む:30%、聞く:70%」くらいの配分がベストです。

③ ETSの“罠”がある(=あえて惑わせてくる)
・TOEICの出題元・ETSは、「先読みしてくる前提」で問題を設計しています(と、思う)
・すべての選択肢がそれっぽく聞こえるように設計されていたり、
・「本文に出てきた語」があえて不正解だったり……ETS、なかなか手強いです(笑)

トビーの失敗と発見|“読める力”が先読みを活かす!

トビーも、最初は「先読みこそ攻略のカギだ!」と張り切って挑戦。

──が、結果は大混乱。

設問を読んでも内容が頭に入らず、
結局選択肢で悩んで次の問題が始まってしまう(←先読みの意味、ゼロです)

でも、「精読力」を強化してから、先読みの効果が一変。
設問がスッと読めるようになり、「聞くべきポイント」を絞って聞けるように。
その結果、リスニングの処理スピードが飛躍的にアップしました。

そして──TOEIC本番ではリスニング495点(満点)を達成。

つまり結論はこうです:

先読みは、“読める力”という土台があってこそ、初めて武器になるんです。

<strong>トビー</strong>
トビー

次章では、実際にトビーがやっていた「TOEICでの先読みのやり方」を、手順とコツで徹底解説します!

TOEICで目が英文の上を『上滑り』してませんか? 心当たりある人はこちらの記事をどうぞ:
「その英文、ほんとに読めてる?|TOEIC Part7で“目が滑る”人が知らない読解の真実」

トビー式・TOEICでの先読み戦略|本番での実践手順

「先読みが大事なのはわかった。でも、どうやってやるの?」

そんなあなたのために、ここではトビーが実践していた「リアルな先読みの流れ」を紹介します。

ターゲットは、TOEICリスニング Part3・Part4です。

①Part3・4の“図表問題”から先にチェックせよ!

リスニングセクションが始まると、
Part1の説明を含めて約1分30秒のイントロダクションが英語で流れます。

この時間をどう使うかで、Part3・4の出来が変わります。

トビーはこの時間を使って、図表付きの問題(図・表・グラフ)に先に目を通していました。
合計で5問前後登場するので──

・どんな内容を示している図なのか?
・設問でどんなことが問われているのか?

をざっと確認しておきます。
ここでは選択肢まで詳細に読む必要はありません。

②次に読むのは32~34番の設問&選択肢

リスニングは、ある意味“心理戦”。

最初の問題でつまずくと、後までズルズル引きずってしまいがち。

だからトビーは、Part3の最初の設問(Q32〜34)を確実に取れるよう
設問+選択肢をしっかり読んでました。

この設問、やたら長く感じませんか?

これはトビーの勘ですが……
ETS、わざと文字数多めにして心理的に揺さぶってくる気がします(笑)

なので、最初でパニクってペースを崩さないよう、ここは落ち着いてしっかり読み込みます。

時間が余れば、35〜37番にも軽く目を通せるとさらに安心です。

<strong>グラミー</strong>
グラミー

これでリスニング開始前(イントロ90秒)の先読み準備は完了!次はいよいよPart1・Part2を解きながら、Part3の出番を待ちましょう。

③Part3の音声が始まったら「設問の順」で情報を聞き取る

Part3のイントロナレーション(約30秒)が流れたら、
Q32〜34、時間があればQ35〜37にもう一度目を通します。

何度も目を通すことで、設問構造が頭に残りやすくなり、音声処理がスムーズになります。

音声が始まったら、意識すべきはこれ:

・「読む:30%」、「聴く:70%」の集中配分で臨む
・設問の順に情報を拾い、わかったものから即マーク
・分からないものは潔く保留。ただしマークのずれには注意!

<strong>トビー</strong>
トビー

先読みがしっかりできていると、“網を張ったところに答えが落ちてくる”感覚が得られて、ちょっと快感です(笑)

④分からない問題は“捨てる勇気”を持つ

もちろん、すべての問題がスッと解けるわけではありません。

特にやっかいなのが、「意図を問う」問題(What does the man mean when he says〜?)
たとえば、こんな感じ👇

What does the man mean when he says,”well, I guess that’s going to set us back another week.”
(A) He is asking someone to reschedule the project.
(B) He is concerned about a delay in the timeline.
(C) He is suggesting canceling a meeting.
(D) He is refusing to take responsibility for the issue.

こういう問題で迷いすぎると、リズムが完全に崩れます。

そんなときは──

「わからない問題は、いつまで悩んでもわからない。」
と割り切って、カンでマークして次へ進むのが鉄則。

実際、3〜4問落としても、リスニング満点(495点)は出ます。

⑤設問が読まれている間に、次の先読みへ!

本文の音声が終わると、設問+回答時間として約35秒が用意されています。

この時間、ボーッとしてる場合じゃありません(笑)
すぐに次の設問(+選択肢)を先読みしに行きましょう!

もちろん、Part3〜4すべてでこの流れを完璧にこなすのは、最初は難しい。

トビーも「先読み法」の習得には、
公式問題集1〜10を“先読みだけに特化して”何度も周回して練習しました。

でも、精読力がついてくると、

「短時間で読めて、しかも意味が残る」
ようになるんです。

<strong>グラミー</strong>
グラミー

リスニング力を上げたいなら、やるべきは「リーディング力の底上げ」。それが、「聞ける耳」につながっていきますよ。

TOEIC、英検で伸び悩んだら「学習のピラミッド」を知っておくと良いかも。詳しくはこちらで:
TOEIC900・英検1級で伸び悩むあなたへ|“精読の壁”を超える英語学習ピラミッド

“聞く前に読む”は他試験でも効果アリ!|英検・HSKでの応用術

「TOEICだけのテクニックじゃないの?」
──実はそうじゃないんです。

「聞く前に読む=先読み」は、TOEICだけでなく、英検・HSKなど他の言語試験でもガンガン使えます。

トビーはこの“先読み癖”を、英検1級とHSK6級でもそのまま転用し、どちらも初回一発合格しました。

ここでは、それぞれの試験でどう活かしたのか、応用例を紹介します!

英検リスニングも“先読み命”だった

英検とTOEICのリスニングの大きな違い。
それは、英検では設問が読まれるまで内容がわからないという点です。

Part3までは問題用紙に選択肢しか印刷されておらず、
「どんな問いが来るか?」は放送されて初めてわかります。

でもここで効くのが、選択肢の先読み。

選択肢に事前に目を通しておけば、「こういう話が来るな」と予測できるんです。

特にPart4は、2分超えの長文リスニング。
あらかじめ構えができていると、正答率がグッと上がります。

トビーは英検1級を受けたとき、最低でも5分は先読みに当てられるように、リーディングの時間配分を調整していました。

TOEICのおかげで“先読み体質”ができていたので、
設問が印刷されていなくても、スクリプトを聞きながら正解を予測&チェックすることができました。

これはもう、TOEIC様様でした(笑)

中国語のHSKでも“先読みスタイル”で8割安定!

英検1級に続いて受けたHSK6級(中国語の国家試験)でも、
リスニングのコツはTOEICとほぼ同じでした。

HSKのリスニングは全50問構成。英検と同じく、設問の印刷はなく、選択肢のみが与えられます。

しかも漢字なので文字数が少なく、先読みしやすいという利点も。

トビーがやっていたのは:

・選択肢をざっと先読みして、内容を予測
・「読む:2割、聴く8割」で集中して放送を聞く。
・聞きながら選択肢を絞り込んでいく

この“TOEICスタイル”をそのまま転用して、
安定して8割超えのスコアをキープしていました。

<strong>グラミー</strong>
グラミー

忘れてはいけないのは、英検でもHSKでも「先読み」が成功するのは、“読む力”があるからこそ。「読解力が上がると、リスニング力も上がる」──これは英語も中国語も、同じなんです。

語学学習に向き不向きはあるのか? トリリンガルの視点で解説してみました。あわせてどうぞ:
語学が“向いてる人・向いてない人”の違いとは?|英検1級&HSK6級トリリンガルが徹底解説

まとめ|先読みは「精読力」のうえに立つスキルだった

光に照らされて開かれた本のページが広がっている様子

さあ、タイトル回収とまいりましょう。今回は──

『TOEICリスニング「先読み」は必須?|聞こえない人ほど効く“事前準備”の戦略とは』
というタイトルでここまで喋り散らかしてきました。

では、さっくりおさらいです:

・TOEICリスニングでいつも“置いてけぼり”だったトビー
・この現象の正体を解説しつつ、先読みのメリット・デメリットを徹底比較
・実際に効果のあったトビー式・先読み実践法をご紹介
・さらに、英検やHSKでも先読み戦略が十分通用する理由をお伝えしました

TOEICは、ただ“聞こえるかどうか”を試すテストではありません。

解答に結びつく英語を、「瞬時に・正しく・効率よく」理解できるか?

これこそが、リスニングの本質です。

そしてそれを支えるのが、「読む力」=リーディングスキル。

英語の処理速度(読む・聴く)を上げたいなら、
まず「精読力」を鍛えることが、いちばん確実な近道です。

精読力の強化方法については、このブログでたくさん書いてますので、
興味のある方はぜひ、いろいろ覗いていってください。

いつでも、お待ちしております(笑)


このブログを書いた人:トビー
  20年迷走して、ようやく“精読の壁”を超えた人です(笑)

トビー

・TOEIC900・英検1級のトリリンガル(日・英・中)。
・英語学習20年の迷走を経て、「精読の壁」を突破しました。
・今は、英語に悩む方へ、自分の経験から気づきを届けています。

トビーをフォローする

トビーって何者?って思った方は、こちらをどうぞ(笑)
このブログについて|20年迷走して気づいた“精読”の力とTOEIC900の壁

コメント