「単語も文法もやったのに…どうして英語が伸びない?」──その答え、構造の“抜け”かもしれません。
英語学習を20年以上迷走したトビーが断言します。
TOEIC900点、英検1級――ここを目指すと、ある日突然ぶち当たるんです。
「あれ、読めてるはずなのに読めてないぞ?」という“怪奇現象”。
それこそが、英語上級者への最後の鬼門=精読の壁。
文構造を見抜き、英文をロジカルに読み解く力──つまり「構文読解力」がないと、TOEIC Part7も英検1級の長文も、気合いじゃ突破できません(経験談)。
この記事では、英語学習に潜む“階層構造”を解剖しつつ、
あなたがその見えない壁を“よじ登る方法”を全力でお伝えします。
「構文読解って何?どうやってやるの?」という方は、先にこちらの記事をご覧ください。
→その英文、本当に読めてる?|TOEIC900・英検1級への“精読の壁”を越える方法
英語が伸びないのは“才能”じゃなく“構造”の問題だった
20年中級レベルを彷徨った理由
英語の勉強を始めてから20年。
いや正確には、“勉強してる風”のまま20年を過ごしたのかな? それがトビーです(笑)。
単語はそこそこ。文法もやった。NHKラジオも聞いたし、DUOも回した。
でもなぜか、いつまで経っても「自分の英語力、なんかイマイチ伸びないな…」という違和感が消えなかったんです。
最初は「才能ないのかな?」「年齢のせい?」と責任転嫁してましたが、違ったんです。
答えはもっと地味で、でも超重要なヤツ──
“構造的に英文を読めていなかった”、ただそれだけ。
つまり、文の“骨組み”=SVOCと修飾語(M)の理解が、根本的に抜けていたんですね。
「なんとなく読めてる気がする」
──それがいちばん危険でした。
TOEIC900・英検1級を目指すと浮上する“見えない壁”
この“構造の欠如”が表面化するのが、だいたいTOEIC800点台後半〜900点目前。
これ、英語学習者にとっての“魔のゾーン”です(笑)。
単語も文法も覚えた。Part5も完璧。
でもPart7になると、「読めてるはずなのに答えが見つからない」「焦って内容が頭に入らない」という現象が起きる。
英検でいうと、準1級は通ったけど、1級の長文がまるで読めない…。
この違和感の正体、それが精読の壁。
構文理解があやふやなままでは、英語力はどこかで必ず頭打ちになります。
そしてこの壁、やっかいなのが「見えない」ことなんです。
精読=構文読解が求められるステージに到達した証拠
この「読めない」「点数が伸びない」「なんで?」と思った瞬間こそが、上級者の入口なんですよね。
精読とは、英文をSVOC+修飾語(M)に分解して、論理的に解釈する技術。
たとえば、
The man who is sitting next to the window is my uncle.
この文を、
S(主語):The man
M(修飾語):who is sitting next to the window
V(動詞):is
C(補語):my uncle
と構造で読み解く力。これが「読めてる」の真の姿です。
ここを意識せずに「なんとなく読んでるとなんとなく分かる」段階から脱することで、英語は“意味のある構造物”に変わるんです。
だから、「精読力が必要かも…」と気づいたあなた、
すでに上級者ステージの入り口に立っています。自信持ってOKです。
20年間英語で迷走したトビーだからみなさんにお伝えできます。
英文って、絶対フィーリングで読んではいけません。
英語学習には“階層”がある|成長のピラミッド構造とは?
「単語→基礎文法→精読/構文読解→多読→実践」への道のり
「英語が伸びない…」と感じているあなた。
それは、今まさに“階層の段差”に足を引っかけているからかもしれません。
英語学習は、次のようなピラミッド構造で積み上がっていきます:
この中で、とくに見落とされやすく、でも最重要なのが「精読/構文読解」の段。
──つまり、ここが“精読の壁”なんです。

英語学習には、明確な“階層構造”がある──これ、もっと早く知っておきたかった…!
20年以上遠回りしてようやく気づいたトビーが、今なら自信を持ってこう言えます。
英語力の成長は、上のピラミッドのように5つのステージを順に登る構造になっています:
単語 → 基礎文法 → 精読/構文読解 → 多読 → 実践
最初の「単語」や「基礎文法」は、多くの学習者がしっかりやります。
実際、英検準1級やTOEIC800点台までは、ここまでの努力でも到達可能です。
でも──
その先の「精読・構文読解」をスルーしたままだと、必ずどこかで成長が止まります。
そして、多くの人が「多読」に飛びつくのもこのタイミング。
けれども、精読というプロセスを飛ばして多読をしても、誤読が蓄積されるだけ。そのまま「読めてる気になる」状態に陥るのです。
さらにその先の「実践(試験・ライティング・スピーキング)」に挑んだとき、「なんでこんなに頭が真っ白になるの…?」と自信を失う…。
だからこそ、このピラミッド構造の“中央にそびえる『精読』の段”を越えることが、英語上級者への絶対条件になるのです。
大学受験で英語を避けてきた人がハマる罠
実はこの「精読の壁」、大学受験で英語を避けてきた人ほど、見落としがちです。
トビー自身、高校で英語に挫折し、大学入試では英語をほぼスルーして推薦で進学しました。
そのまま英語学習を独学で続けていたんですが…気づかないまま“精読未経験ゾーン”に突入してたわけです(笑)
その結果、
- TOEIC公式問題集は何度も解いた
- 単語帳も回した
- 文法も一応やった(気でいた)
それでもPart7が読めない。
読めてるはずなのに、内容がスルスルと頭をすり抜けていく。
それが“精読の壁”だったんです。
TOEIC教室 中村澄子先生がよく言われるように、
「大学受験で英語を避けてきた人は、リーディングで伸び悩むことが多い」
──これ、本当にその通り。
ある程度読めてしまうからこそ、「読めていない」ことに気づきにくいんです。
精読を知らずに英語を読むことの“危うさ”
構文が取れてない状態で英語を読むというのは、
例えるなら──地図なしで山登りに出発するようなものです。
トビーもそうでした。「読めてるつもり」で突き進んでいたら、ある日突然、迷子状態に(笑)
- 主語と動詞の対応が曖昧
- 修飾語のかかり先が不明
- 意味は取れても、論理が追えない
それでも「なんとなく分かった気になる」ことができてしまうのが、英語学習の怖いところ。
そしてその“分かった気”のまま試験に臨み、
TOEICでは15問残し、英検では内容一致が全滅──
…という現象が起きるんです。
「読んでるのに頭に残らない」
「読み返しても意味が取れない」
その正体こそが、精読力の欠如による“構造崩壊”だったんです。
でも逆に言えば、
ここをSVOC+修飾語(M)でロジカルに読み解く訓練さえすれば、英語は一気に「わかる」ものに変わります。
英語学習ピラミッドを一段ずつ登る|5つの階層の全体像
① 単語:すべての土台は語彙力にあり
英語力のピラミッド、一番下の土台にあるのが「単語」です。
「当たり前すぎて説明いらないでしょ」と思いがちですが──ここ、甘く見ちゃいけません。
たとえば目標スコア別に必要な語彙数はこんな感じです:
- TOEIC900点:10,000語以上
- 英検1級:最大15,000語!
英検1級ともなると、TOEIC900点のその先にさらに5,000語の壁が立ちはだかります。これはもうちょっとした精神修行(笑)
英語試験では、文章中に知らない単語が10%以上あると高得点は厳しいというのがトビーの実感。
理想は2〜3%以下に抑えること。とはいえ「ゼロにする」はムリなので、“どこまで減らせるか”が勝負です。
TOEIC900点を目指すなら、「金のフレーズ」+「英検準1級レベルの単語帳」がカバーできれば実力は十分。
英検1級では特に語彙問題が強烈ですが、逆に「知っていれば解ける」問題なので、ここで点が取れると超有利。
そして嬉しい副産物がもうひとつ。
このレベルの語彙力を身につけると、BBCやCNNなどの海外ニュースが辞書なしで読める世界が見えてきます。
「単語の勉強って終わりがない」──それは確かですが、終わらないからこそ、一番初めに始めるべき学習なんです。
② 基礎文法:文の“骨組み”を見抜くための部品集め
単語がある程度そろったら、次は「基礎文法」。
ここでつまずく人、けっこう多いですよね──ええ、20年前のトビーも例外ではありません(涙)
- 完了形?
- 関係代名詞?
- 時制の一致??
聞くだけで頭がフリーズするという方、大丈夫。トビーはいまだに当時の参考書を捨てられずに持ってますから(笑)
(※呪いの本:「チャート式 総合英語」初期型)
でも今ならわかります。文法は、“完璧主義”じゃなく“使える知識”にしていくもの。
たとえば『Evergreen』のようなわかりやすい文法書を1冊決めて、まずはざっくりと全体像をつかむことが大事です。
ただし、ここで注意点があります。
文法の迷宮にハマりすぎると、読解力は伸びません。
文法学習は、あくまで次の「精読」の土台。
「onとatの違いは…」「willとbe going toの微妙なニュアンスは…」なんてところで足を止めていては、読む力が育たないんです。
トビーのおすすめはこうです:
「一通りざっくり文法を押さえる → 精読に進む → 必要に応じて文法に戻る」
このループを回すことで、文法が“知識”から“使える道具”に変わっていきます。
安心してください。
英検1級でも「この過去完了は“継続”か“経験”か?」なんて聞かれませんから(笑)
③ 精読/構文読解:読む力を“論理化”するステージ
語彙も、文法もひと通りやった。
なのに、読めてるはずの英文がなぜか頭に残らない──
…それ、構文が見えてないだけかもしれません。
ここがいわゆる「精読/構文読解」のステージ。
英文をSVOC+修飾語(M)に分解して“論理的に読む”技術が必要になります。
これは、いわば“フィーリングで読む英語”を卒業するタイミングです。
トビーのおすすめ参考書は、断然コレ!
『ポレポレ 英文読解プロセス50』(西きょうじ先生)
この1冊、見た目は薄いんですが…
精読の壁を超えるための“エッセンス”がギュッッと凝縮されていて驚きます。
おすすめする理由は3つ:
1.YouTubeで無料講座が視聴可能
→ テキストにない解説も補完され、学習効率アップ
2.構文読解に必要な“コツ”が網羅
→ 英文の論理構造を読む力がつく
3.ムダがなく、最短で「読める英語力」が身につく
ポレポレが難しいと感じたら…
そんなあなたにピッタリなのが、こちら:
『英文読解入門 基本はここだ!』
同じく西きょうじ先生の著作で、
「精読の準備運動」としてトビーもまずはここから始めました。
「基本」と名がついてますが、正直、知らなかったことも山ほど出てきて、感動すら覚えました(笑)
もちろんこちらもYouTubeで無料動画あり。独学勢にも超やさしい構成です。
しかもこの「基本はここだ!」の内容がわかってこそ、ポレポレの“読解プロセス”がスムーズに入ってきます。
精読ステージに入ったあなたへ:
構文読解の力がついてくると、英文が“意味のかたまり”として見えてくるようになります。
「なんとなく読んだ気」から、
「論理で読めた!」へ。
それを実感できるのが、まさにこのステージです。
TOEIC900点や英検1級を本気で狙うなら、ここは絶対に飛ばせない“中間地点のボス”です。
精読を超えれば、英文が一気にクリアに見えてきますよ。
④ 多読:構文を“自動化”するための筋トレ
精読で「英文を構造で読む力」がついたら、次にやるべきはその“型”を体に染み込ませる反復トレーニング──つまり「多読」です。
たとえばポレポレで「修飾語(M)がどうかかるのか」を理解したあとに、公式問題集や過去問で同じ構文に出会うと…
「あ、これあのパターンだ!」
「この関係代名詞、主語を修飾してるな」
と、構造が“反射的に見える”ようになる瞬間が来ます。
これこそが多読の目的です。
多読の目的は「慣れ」じゃない、「構造の定着」
よくある誤解が、「多読=とにかくたくさん読む」「たくさん読めば力がつく」というもの。
でもトビーの経験では、それは順番を間違えると“努力が空振り”になります。
精読をすっ飛ばして多読に走ると、
“なんとなく読めた気”がクセになってしまう。
そう、これはまさに“構造が見えていないまま文章を読み飛ばす病”の温床になりやすいのです。
精読×多読の“反復コンボ”が効く!
ここで大事なのは、「構文を知った状態で、繰り返し出会う」こと。
たとえば:
- as a result of 〜
- it is likely that 〜
- the fact that 〜
こういった頻出構文が、見た瞬間に意味処理できるようになれば、読解スピードは一気に加速します。
それが“読む筋肉が育った”サインです。
多読の素材選びは「試験との距離感」で
TOEICなら公式問題集(1〜10あたりをグルグル回す)、
英検なら過去問や頻出テーマの長文(環境・教育・国際問題など)を選ぶと◎です。
多読とはいえ、「読める素材を何度も」が大原則。
精読で分解した英文を、
→ もう一度、
→ ふたたび、
→ さらに繰り返して、
“自動処理の回路”を育てていきましょう。
⑤ 実践:アウトプットで“使える英語”に昇華する
そして、ピラミッドの最上段にあるのが「実践」。
TOEICや英検といった試験本番、英会話、スピーキング、ライティング…
ここが、いわば“英語力を現実社会で使うステージ”です。
多読をやっているのに伸び悩んでいる方へ──
→多読って本当に必要?20年迷走したトビーの“結論”
積み重ねた力が、ここで試される
このステージでは、今まで磨いてきた
・単語力(語彙)
・文法力(構造理解)
・精読力(読解の精度)
・多読力(スピードと耐久力)
…すべてが総合力として試される場です。
でも、焦らなくて大丈夫。なぜなら──
ここまで階段をちゃんと登ってきたあなたには、
もう“仕上げるだけ”の準備が整っているからです。
試験対策も“構造の上に乗っている”
TOEICであれば、時間配分・設問処理・先読みテクニック。
英検であれば、記述問題・意見の論理構成・面接での瞬発力。
一見すると「ノウハウ」のように見えるものも、
実は“階層の土台”があって初めて効果を発揮するんです。
- 精読力があるから、設問を先に読んでも本文に迷わない
- 単語と構文が見えるから、話すときもロジックで組み立てられる
- 多読を積んでいるから、本番でもスピードと理解が両立する
実践とは、「地味な積み上げが初めて“使える武器”になる場所」なんです。
ピラミッドは、上に行くほど“地味な基礎”に支えられる
トビーがTOEIC915点、英検1級を突破して強く感じたのはこれです:
結果を出すのは、いつだって“見えない基礎”だった。
語彙、文法、精読、多読…どれも一見、地味で遠回りに思えるかもしれません。
でも、ピラミッドが崩れないのは、下の段があるからこそ。
だからこそ、焦らず、一段ずつ登っていきましょう。
その先には、“英語が武器になる自分”がきっと待っています。
各階層ごとの学習法も今後深掘りしていきます。
→単語帳が続かない方必見!|挫折だらけだったトビーの「記憶の仕組み化」全公開!
→英単語は「書かないで覚える」はアリ?|TOEIC900・英検1級を超えた記憶術の真実
まとめ|壁を越えた先に、“本当の英語力”が待っている

英語学習のピラミッド、ついに頂点まで登ってきました。
でも、トビーはここでちょっと立ち止まりたくなります。
なぜなら──ここからが、いちばん自由だから。
実は、精読のプロセスをしっかり踏んだあと、英語の読解速度って一時的に落ちるんですよ。
「主語どれ?」「関係詞どこまでかかってる?」って、いちいち“構造チェック”するから当たり前です。
でも安心してください。
この“構造読み”を何度も繰り返していくうちに、頭が勝手に英文を“前から・構造で・意味のかたまりとして”読むようになります。
それはつまり──
「精読を意識しない精読」ができるようになるということ。
この状態に到達したとき、あなたはもう英文を「読む」から「理解する」に変わっています。
ネイティブのように、前から英文を処理し、戻り読みせずに意味を取れるようになる。
だからこそ、最後にトビーが伝えたいのはこうです:
ここまで積み上げてきた“理屈”は、いずれ“直感”に変わる。
それこそが、英語学習のピラミッドが目指す最終ゴールです。
「精読の壁」に挑むすべての人へ
TOEICや英検の勉強を始めたばかりの方。
まずは、英語学習には階層があるという事実を知ってください。
そして一段ずつ、正しい方法で登っていけば、必ず景色は開けてきます。
TOEIC900・英検1級を目指しているのに、なぜか伸び悩んでいる方。
その原因は、まさに今回のテーマである「精読の壁」かもしれません。
でも、ここを越えればもう一息です。絶対に届きます。
YouTubeの「これだけでOK」的な動画に誘惑されそうになることもあるかもしれません(笑)
でも、英語学習ってもっと地味で、泥臭くて、人によっては苦行にもなります。
でもね、努力には“正しい方向”があるんです。
そして正しい方向で積み上げた努力は、ある日突然、「量」から「質」へと変わる瞬間がやってきます。
トビーはその瞬間を、20年越しで味わいました。
あなたにもきっと、その時が来ます。
そしてそのとき、あなたが目指していた場所は──
もう目の前です。
この記事を書いた人:トビー
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