「聴きながらぶつぶつリピート」
——それが「シャドーイング」って呼ばれていたこと、この前知りました(笑)
シャドーイング、リピーティング、ディクテーション……
英語学習って、いつの間にか横文字の修行メニューが増えすぎていませんか?
いまからウン10年前。
トビーが中国に語学留学していたころ、トビーの部屋からは、いつもぶつぶつ怪しい声が聞こえていたそうです。
「……あのヒト、絶対怪しい!」
そう思っていたらしいのが、今のトビーの奥さん(笑)
当時のトビーは、中国語でも英語でも、リスニング音声を流しながら、ただひたすらぶつぶつリピートしていました。
特別な理論も、立派な名前も知りません。ただ「こうしたら頭に残る気がする」という、完全に体感ベースの学習です。
その結果――
おかげで(?)TOEIC900点、英検1級、HSK6級までたどり着いたわけですが、
それが「シャドーイング」と呼ばれているトレーニングだと知ったのは、実はごく最近のことでした。
気づけば、英語学習界では
・「シャドーイングは必須」
・「やらないと伸びない」
といった声を、やたらと耳にするようになりました。
でも、ここでトビーは素朴に思うわけです。
・そもそも、シャドーイングの定義って何?
・本当に、みんなに必要なトレーニングなの?
・精読もできていない段階で、やる意味はある?
ということで今回は、
語学学習・迷走歴モアザン四半世紀のトビーが、
「シャドーイングって本当に必要?」問題に、
できるだけ冷静に、できるだけ正直に、切り込んでいきます。
・シャドーイングの正確な定義と、よくある誤解
・シャドーイングが本当に効果を発揮する人・しない人の違い
・精読・リスニング・シャドーイングの正しい順番
・TOEIC900・英検1級まで到達したトビーが、実際にどう使ってきたか
・「結局、シャドーイングは必要なのか?」に対するトビーの最終結論
シャドーイングとは何か?(定義の整理)
英語学習界で「当たり前」のように語られるシャドーイング。
でも実は、この言葉、人によって指している中身がかなり違います。
ここを曖昧にしたまま話を進めると、
「効く・効かない論争」が一生終わりません。
なのでまずは、定義をきっちり整理しましょう。
シャドーイングの正式な定義
シャドーイングとは、
英文音声を聞きながら、意味理解を保ったまま、
0.5〜1秒遅れで発話するトレーニング
です。
ポイントは、「聞こえた音をマネする」ことではありません。
意味を処理しながら、同時進行で口を動かす。
これがシャドーイングの本質です。
もし、意味がわからないまま口だけ動いているなら、
それはシャドーイングではありません。
トビー的に言うと、
それは英語版・口パクです(笑)
リピーティング・音読との決定的な違い
混同されやすいので、ここも整理しておきます。
・リピーティング
音声が終わってから復唱する練習
・音読
スクリプトを見て声に出す練習
・シャドーイング
音声とほぼ同時に、意味を追いながら発話する練習
負荷の高さは
音読 < リピーティング < シャドーイング。
シャドーイングは
「聞く・理解する・話す」を同時に要求される、
かなりハードなトレーニングです。
「音マネ」と誤解されやすい理由
シャドーイングが誤解されやすい理由はシンプルです。
外から見ると、何を考えているか分からないから。
ただ英語をぶつぶつ言っているように見えるので、
「発音練習」「リスニング練習」と思われがちです。
でも実際の目的はそこではありません。
シャドーイングの狙いは、
英語の処理を“自動化”すること。
考えてから理解する英語を、
考えなくても処理できる英語に変える。
発音が良くなるのは、あくまで副産物です。

次の章では「じゃあ、誰にシャドーイングは効くの?」という一番気になる話に入っていきますよ。
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シャドーイングが“効く人・効かない人”の違い
シャドーイングについて調べると、
「めちゃくちゃ効果あった!」という声と、
「全然意味なかった…」という声が、ほぼ同じくらい出てきます。
この食い違い、理由はシンプルです。
シャドーイングは、人を選ぶトレーニングだから。
シャドーイングが効かない人の典型パターン
まず、効果が出にくいケースから。
・英文の意味が取れていない
・単語や構文がまだ不安定
・「聞こえた音」を必死にマネしている
・やっている目的が曖昧(とりあえず流行ってるから)
この状態でシャドーイングをすると、
起きるのはただ一つ。
「やってる感」だけが積み上がること。
脳は意味処理に追いついていないので、
処理速度も理解力も、ほとんど鍛えられません。
トビーも昔、これをやっていました。
時間は使っているのに、伸びない。
いちばんツラいやつです(笑)
シャドーイングが効果を発揮する条件
一方、シャドーイングが効くのはこんな人です。
・英文の構造と意味がすでにわかる
・音声を聞くと、内容が自然に頭に浮かぶ
・「理解」ではなく「処理速度」を上げたい段階
この状態になると、シャドーイングは
一気に“化ける”トレーニングになります。
理解できている英語を、
より速く・より無意識に処理できるようにする。
まさに最終調整です。
「やってる感」に要注意
シャドーイングが厄介なのは、
やっている最中は、成長している気がするところ。
でも、こう自問してみてください。
・内容を説明できますか?
・音声なしでも、同じ英文を理解できますか?
もし答えが「うーん…」なら、
シャドーイング以前の工程に、まだ伸び代があります。
シャドーイングは万能薬ではありません。
効くタイミングで使ってこそ、価値がある。

この話をさらに整理するために、「英語学習ピラミッド」の中でのシャドーイングの位置を見ていきましょう。
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英語学習ピラミッドで見るシャドーイングの位置
ここまでで、
「シャドーイングは効く人と効かない人がいる」
という話をしてきました。
では、その分かれ道はどこにあるのか?
トビーはこれを、英語学習の“成長のピラミッド”で説明しています。
トビーの「英語学習・成長のピラミッド」
トビーが考える英語学習は、
下から順に積み上がるピラミッド構造です。

この順番には、ちゃんと意味があります。
英語は、
「単語 → 文法 → 構造理解」
という理解の土台があって、はじめて
大量のインプット(多読)やアウトプット(実践)が成立します。
シャドーイングは、このピラミッドのどこに位置するかというと——
「精読/構文読解」と「多読・実践」をつなぐ“加速装置”です。
つまり、
・単語や文法を覚えるための練習でもなく
・英語を初めて聞けるようにする魔法でもない
すでに理解できている英語を、
よりスムーズに・より自動的に処理できるようにする工程。
ピラミッドで言えば、
土台が完成したあとに効いてくる“成長ブースター”が、シャドーイングです。
なぜ精読なしシャドーイングは失敗するのか
このピラミッドを無視すると、何が起きるか。
単語や構文があやふやなままシャドーイングをすると、
脳は音声の処理で手一杯になります。
・音は追っている
・でも意味は取れていない
・結果、処理が自動化されない
つまり、ピラミッドの途中をすっ飛ばしている状態です。
トビーがはっきり言うなら、
精読を飛ばしたシャドーイングは、
成長を早めるどころか、遠回りになることが多い

理解を伴わないシャドーイングは時間の浪費ですぞ。
シャドーイングは「仕上げ工程」に近い
シャドーイングが一番気持ちよく効くのは、
精読で構造が見え、
多読で英文量にも慣れてきたタイミング。
この段階になると、
「わかるけど遅い英語」が
「考えなくても処理できる英語」に変わり始めます。
シャドーイングは、
英語学習ピラミッドの上に行くための最後の押し上げ。
初心者向けの万能薬ではなく、
伸び悩みを突破するための静かな加速装置です。
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トビーが実際にやってきたシャドーイングの使い方
ここまで読んで、
「理屈はわかった。じゃあ、具体的にどうやるの?」
と思っている方も多いはず。
この章では、
トビーがTOEIC900・英検1級・HSK6級まで使ってきた “現実的なシャドーイング”を、そのまま書きます。
派手さはありませんが、再現性は高いです。
使っていた教材とレベル感
トビーがシャドーイングに使っていた教材は、かなりシンプル。
・TOEIC公式問題集のリスニング
・英検の過去問音声
・BBCなどのニュース(※スクリプト+音声があるもの)
共通点はひとつ。
「内容をほぼ理解できている音声」しか使わない
7〜8割理解では足りません。
9割以上わかるものが基準です。
シャドーイングは「理解する練習」ではなく、
理解できている英語を速く回す練習だからです。

TED-Edは音声もスクリプトもあって神教材。いまでも大好きです。
トビー式・基本ステップ
やり方も、実はとても地味です。
1. まずスクリプトを使って精読
2. 音声を聞いて内容を完全に確認
3. スクリプトを見ながらシャドーイング
4. 慣れてきたらスクリプトなしで実施
ポイントは、
いきなりスクリプトなしでやらないこと。
「聞き取れない=効果がある」ではありません。
聞き取れないものを追いかけるのは、ただ苦しいだけです。
「やりすぎない」ための目安
シャドーイングは、疲れます。
なのでトビーは、長くやりません。
・1素材あたり5〜10分
・毎日やらなくてもOK
・「頭が回っている感覚」があるうちに終える
シャドーイングは、
量よりタイミングと質。
ピラミッドの上に行くための
最後の一押しとして使うのが、いちばんコスパがいい。
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シャドーイングは本当に必要か?(トビーの結論)
ここまで、
シャドーイングの定義、
効く人・効かない人の違い、
英語学習ピラミッドの中での位置、
そしてトビー自身の使い方を見てきました。
さて、結論です。
シャドーイングを「やるべき人」
シャドーイングをやる価値があるのは、こんな人です。
・精読・構文読解がある程度できている
・リスニング内容は理解できるが、処理が遅い
・「わかるのに追いつかない」感覚がある
・TOEIC800点台〜900点前後で伸び悩んでいる
この層にとって、シャドーイングは
英語力を一段引き上げる“ブースター”になります。
トビー自身も、この段階で
シャドーイングの恩恵を一番強く感じました。
やらなくていい人・今は不要な人
一方で、今はやらなくてもいい人もいます。
・単語や文法がまだ不安定
・精読ができず、英文構造が見えない
・音声を聞いても意味が取れない
この状態でシャドーイングをすると、
努力の割に、得られるものが少ない。
それならまずは、
単語・文法・精読に時間を使ったほうが確実に伸びます。
シャドーイングは、
「頑張る人向け」の練習ではありません。
「準備が整った人向け」の練習です。
トビーの最終結論
シャドーイングは、魔法でも必須科目でもありません。
でも、
正しい順番で、正しい目的で使えば、
英語学習の終盤で、静かに、しかし確実に効く。
これが、
語学学習迷走歴モアザン四半世紀のトビーが出した結論です。
もし今、
シャドーイングがつらい、意味がないと感じているなら、
それはあなたの能力不足ではありません。
使うタイミングが、まだ早いだけ。
英語学習は、積み上げ式。
ピラミッドの下から順に、
一段ずつ上がっていきましょう。
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まとめ

シャドーイングは“万能薬”ではない。でも——
・シャドーイングは「理解」を生む練習ではない
・理解できる英語を「自動化」するための工程
・精読・多読の先で使うと、はじめて価値が出る
だからこそ、
シャドーイングは信じるものではなく、使い分けるもの。
この記事が、
あなたの英語学習ピラミッドを
もう一段、上に進めるヒントになれば嬉しいです。
このブログを書いた人:トビー
20年迷走して、ようやく“精読の壁”を超えた人です(笑)
トビーって何者?って思った方は、こちらをどうぞ(笑)
→このブログについて|20年迷走して気づいた“精読”の力とTOEIC900の壁



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